奈良市内の中心部にある商店街アーケードに、パトカーの追跡から逃れようとするクルマが進入する事件が起きた。約30km/hの速度を維持したまま走り抜けていったが、幸いにも人的な被害は発生しなかった。

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1日午後0時30分ごろ、奈良県奈良市内でパトカーの追跡を受けていた軽乗用車が車両通行の禁止された商店街のアーケードを暴走する事件が起きた。人的な被害は無かったが、追跡を打ち切ったことからクルマはそのまま逃走している。

奈良県警・奈良署によると、奈良市内中心部を同署員がパトロールしていたところ、急加速して逃げ出した不審な軽乗用車を確認。周辺に一斉手配し、パトカーや白バイでの追跡を開始した。

逃げる軽乗用車は奈良市中心部を縦横無尽に走行したが、奈良市東向南町付近にあり、車両通行が禁止された商店街のアーケードへ進入。クラクションを鳴らしながら、速度を維持して走り抜けた。当時は外国人を含む旅行客も多かったが、居合わせた人たちは店の建物内へ逃げ込んだために人的な被害は無かったという。

警察はクルマがアーケードに進入した時点で「危険」と判断して追跡を打ち切っており、クルマはその後の混乱に乗じて逃走している。以前に大阪府内で事件に関係し、手配されていたクルマだったことが後に判明している。

逃げたクルマには男2人が乗っており、警察では周辺に設置された防犯カメラ映像の分析を進め、追跡中止以降の逃走経路を調べるとともに、事件発生の経緯を詳しく調べている。

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事故当時、現場となったアーケードに多くの人が訪れており、逃げ遅れが生じた場合には死傷事故に発展していた可能性もあった。警官の姿を見て、それで逃げ出したことが追跡の発端となっており、クルマの運転者には「手配されている」という認識があったのかもしれない。