直線が続く見通しの良い国道を走行していた路線高速バスが路外に逸脱し、道路脇の草地に転落する事故が起きた。逸脱する要素が感じられない場所だが、飛び出してきた小動物を避けようとした急ハンドルが原因とみられる。

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24日午後0時35分ごろ、北海道釧路市内の国道240号を走行していた路線高速バスが路外に逸脱。道路左側の草地へ転落する事故が起きた。飛び出してきた小動物を回避しようとハンドルを切ったとみられ、人的な被害は無かったという。

北海道警・釧路署によると、現場は釧路市新野付近で片側1車線の直線区間。バスは札幌から釧路に向かっていた路線高速バス(大型観光車両)で、斜行するようして道路左側の路外へ逸脱。そのまま道路脇の草地に転落した。

バスは車体を斜めにした状態で停止。乗客乗員7人にケガはなく、全員が自力で後部の非常口から脱出している。

事故当時の天候は晴れで、現場の路面も乾燥しており、スリップする要素は無かった。警察の聴取に対してバスの運転者は「キツネのような小動物が飛び出てきて、それを避けようとハンドルを切った」などと説明しているようだ。警察ではハンドル操作の誤りが事故につながったものとみて、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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現場となった草地にキタキツネが生息していたかどうかは定かではないが、キタキツネは隠れる場所のある草地を好み、今の時期は春先に生まれた仔ギツネの活動が活発化する時期にもあたるので、急に飛び出してきてもおかしくはない。

飛び出してきた小動物との衝突を回避しようと急ハンドルを切って事故に至るケースは稀にあるが、動物の命を救おうとした結果、自身が死傷してしまう可能性も考慮しておきたい。