日産 グローバル 本社《撮影 高木啓》

日産自動車は7月8日、一部の車両の排出ガス・燃費測定試験において以下の不適切な行為があった、と明らかにした。不適切な行為は、(1)試験環境を逸脱した排出ガス・燃費測定試験を行っていた、(2)測定値を書き換えて、検査報告書を作成していた、の2点。

日産自動車は、昨2017年9月に発覚した完成検査に係る不適切取扱いに関する一連の問題以降、法令遵守の状況について自主点検を行なってきた。その一環として、完成検査時の燃費・排出ガスの測定に関する調査の中で、日産自動車九州以外の国内全車両製造工場において製造された車両について、一部の排出ガス・燃費測定試験において不適切な行為が判明したという。

これに伴い7月9日、日産自動車が確認した事実ならびに現在までの調査結果を、国土交通省に報告した。なお、昨年9月に発覚した一連の完成検査問題で、再発防止に向けた取り組みを進めている中で、今度の事案が発見された。日産自動車では現在、原因や行為に至った背景を含め、調査を進めているという。

なお、信頼性の認められるログデータを再検証した結果、『GT-R』を除くすべての車種において、保安基準の適合性に加え、型式としての排出ガスの平均値が諸元値を担保できていることを確認したという。燃費についても再検証し、すべての抜取検査対象車種が、燃費の諸元値を担保できていることを確認したという。従って、カタログなどで公表している燃費の数値に誤りはないとする。

不適切な完成検査で、国交省が最初に立ち入った日産車体湘南工場《撮影 中島みなみ》