販売中のアッパーミドルSUV『EX5』《撮影 佐藤耕一》

中国のITジャイアント3社である検索エンジンのバイドゥ、ECのアリババ、SNSのテンセント。それぞれの頭文字を取った”BAT”という呼称がある。

そのBATが、現在の中国EV産業の草創期をチャンスととらえ、相次いで新興EVメーカーに出資していることが話題となっている。北京モーターショー2018に出展した『威馬汽車』(ウェイマー、WM Motor)は、バイドゥの出資を受けている新興EVメーカーだ。

同社はすでにEVを発売しており、新興EVメーカーのなかでは一歩先を行く存在だ。販売中のSUV『EX5』は、航続距離によって3つのグレードがあり、60km/h低速走行での航続距離が、380km、500km、600kmの3グレードとなっている。それぞれ価格は、下から17万9800元(約300万円)、19万9800元(約340万円)、22万4800元(約385万円)。いずれも補助金を差し引いた実質価格。同じBATの一角であるテンセントが出資するNIO『ES8』は700万円前後の高級SUVとなるが、こちらの威馬はアッパーミドルクラスの価格帯となる。

製造や販売体制も構築済みだ。担当者によると、「温州に自社工場を持っている。ディーラーもすでに15拠点を構え、来年には80拠点を目指している」とより具体的だ。

プレスカンファレンスでは、次期SUVのコンセプトとなる『EX6』がお披露目されたほか、買収したドイツのスポーツカービルダー、イズデラ(Isdera)のEVスポーツ『コマンダトーレ(Commendatore)GT』もブースを飾っている。

販売中のアッパーミドルSUV『EX5』《撮影 佐藤耕一》 次期SUVを占うコンセプト『EX6』《撮影 佐藤耕一》 次期SUVを占うコンセプト『EX6』《撮影 佐藤耕一》 イズデラ『コマンダトーレGT』。担当者によると、実際に公道を走れる完成度とのこと。《撮影 佐藤耕一》 イズデラ『コマンダトーレGT』。担当者によると、実際に公道を走れる完成度とのこと。《撮影 佐藤耕一》