高速道路の高架橋下で、大破した状態のクルマが発見された。クルマに乗っていた男女3人は心肺停止の状態で病院へ搬送されたが、後に全員の死亡が確認されている。

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4日午前7時50分ごろ、秋田県由利本荘市内の農道脇で乗用車が大破しているのを通行人が発見、警察へ通報した。真上を通る日本海沿岸東北自動車道(日沿道)から転落したとみられ、乗っていた3人全員が死亡している。

秋田県警・高速隊によると、現場は由利本荘市芦川付近の日沿道で片側1車線の対面通行区間。両車線は樹脂製ポールで区分されている。乗用車は緩やかな左カーブを曲がり切れれずに対向車線側へ逸脱。そのまま道路右側のコンクリート壁に乗り上げたまま前進を続け、山の斜面を滑落するようにして約40m下を通る農道脇で大破した。

農道を通りかかった人が大破しているクルマを発見して警察へ通報。クルマには男女3人が乗っていたが、いずれも発見時には心肺停止の状態であり、3人とも病院到着後に死亡が確認された。死亡したのは秋田市内に在住する20歳の男性、同市内に在住する20歳の女性、由利本荘市内に在住する17歳の女性と後に判明している。

クルマが転落した場所は高架橋手前にあたり、高架橋そのものには転落を防止するフェンスが設置されているが、山の斜面側には転落防止措置は講じられていなかった。救出を優先したことから現時点では運転者の特定ができておらず、警察では運転者の特定を急ぐとともに、事故発生の経緯を詳しく調べている。

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クルマは速度を保った状態で、車体を斜めに傾かせながらコンクリート壁を駆け抜け、そのまま山の斜面から滑落していた。速度を保っていたからこそ、壁をそのまま走り抜けてしまったとも考えられており、速度超過や居眠り・漫然運転も視野に入れた捜査が行われている。