5Gの最新動向について発表するクアルコム

クアルコムは2月26日、スペインで開幕した世界最大規模の携帯通信関連見本市、「MWC(モバイル・ワールド・コングレス2018)」において、5Gのネットワークシミュレーションの結果を発表した。

5Gは次世代(第5世代)の移動通信システム。高速で大容量のデータをやり取りできることから、高度な自動運転やコネクテッドカーなどの実現に欠かせない技術とされる。

シミュレーションは、世界の2か所で実施。ドイツ・フランクフルトでは、5周波数帯のギガビットLTEとNSA 5G NRが3.5GHz帯で、100MHzの帯域で動作する環境で行われた。米国サンフランシスコでは、4周波数帯のギガビットLTE、License Assisted Access(LAA)と28GHz帯のミリ波帯で、800MHzの帯域でNSA 5G NRが動作する環境で実施された。

フランクフルトのシミュレーションでは、LTEのみと比較してダウンリンク容量が最大5倍、Massive MIMOによって3.5GHz帯の周波数効率が最大4倍向上、その他、ブラウジングのダウンロードスピードの平均はLTEの56Mbpsから5Gでは490Mbpsの約9倍に。ブラウジングダウンロードの遅延は、LTEの116msから5Gの17msとなり、応答性は約7倍の高速化。LTEでは90%のユーザーのファイルダウンロードスピードが8Mbpsに対して、5Gでは90%のユーザーが100Mbps以上に高速化、などの結果が得られたという。

サンフランシスコのシミュレーションでは、28GHz帯ミリ波帯での800MHzの帯域により、ブラウジングのダウンロードスピードの平均はLTEの71Mbpsから5Gでは1.4Gbpsとなり、約20倍の高速化。ブラウジングダウンロードの遅延は、LTEの115msから5Gの4.9msとなり、応答性は約23倍の高速化。LTEでは90%のユーザーのファイルダウンロードスピードが10Mbpsに対して、5Gでは90%のユーザーが186Mbps以上に高速化され、平均では442Mbps、などの結果が示された。

なお、クアルコムはMWC2018において、5Gのネットワークシミュレーションのデモを行う、としている。