ホンダの倉石誠司副社長は2月2日に都内で開いた決算説明会で、自動運転技術やカーシェアリングで中国企業と相次ぎ提携したことについて「中国は非常にスピードが速い。それに追い付いていくために提携を進めている」と述べた。
ホンダは2017年12月に自動運転の人工知能(AI)技術に強みを持つ中国のセンスタイム社と5年間にわたる共同研究開発契約を締結、さらに中国で発売を予定している電気自動車の開発ですでに協力関係を結んでいるニューソフトリーチの子会社でカーシェアリング事業を手がけるリーチスター社への出資を決めるなど、中国企業との連携を急速に強めている。
倉石副社長は「中国は非常にスピードが速い。(車両の)電動化については中国がこれからリードしていくだろうし、シェアサービスについてもものすごく今伸びている」とした上で、「やはり我々としても中国において、新しいサービスに遅れないように準備をするという意味で今、いろいろと提携等を進めている」とその背景を説明した。
その中国でホンダは2017年の四輪車販売が前年比16%増の145万8000台と過去最高を更新した。倉石副社長は「『CR-V』、『シビック』、『フィット』、『クライダ―』、『ヴェゼル』など月間販売が1万台を超えるモデルが非常に増えてきて大変基盤が強くなってきた」と評価。
さらに「中国に研究所をそれぞれの合弁会社に造り、グローバルモデルをさらに中国のお客様にあった仕様に仕立てたり、税制優遇があるCカテゴリーに我々は強いモデルを持っているというのが一番大きい。また両合弁会社でプラットフォームを共有化しながら効率を上げてコストダウンを行ったことも大きな要因」と解説した。
ホンダの最大市場であるアメリカでも2017年の販売は164万1000台と過去最高を更新したが、中国の台数がかなり肉迫していることについて倉石副社長は「実は2017年もかなり苦労したが、とくに東風ホンダの(余剰の)生産キャパがもうない。第3工場ができるのが2019年初めということで、それまでは今いろいろ働き方を工夫しながら台数をなんとか増やすように努めているが、いずれにしてもアメリカに手が届くところまでいっていない」と明かした。
その一方で「現在の全体市場の動向をみれば、これは近いうちに抜かなければいけないと思っている」とも話し、意欲を示していた。
ホンダ倉石副社長「中国のスピードに遅れないよう、中国企業と提携を進めている」
2018年02月02日(金) 18時30分