東京モーターショー2017(東京ビッグサイト)《撮影 高木啓》

日本自動車工業会の西川廣人会長は12月15日の定例会見で2019年の東京モーターショーを東京ビッグサイトのほかに複数の場所で開催する方向で検討していることを明らかにした。

東京モーターショーは従来、東京ビッグサイトの全フロアを使用して開催しているが、次回開催の2019年は東京オリンピックの開催準備で展示会として使えるスペースが4分の3程度になる見通しだが、その対応策を今回示した格好といえる。

西川会長は「19年のビッグサイトは多少、場所が制約されるが、むしろ東京オリンピック・パラリンピックが近づいてくるということで、東京全体の中でむしろうまく企画をして複数の場所で、これは2か所ということではなくて、もっと大きい複数の場所で、東京という街の良さと、その中で先進性をもった自動車の技術をうまくコラボレーションして発信できるような取り組みをしていきたい」と述べた。

さらに「ネガティブに会場の制約を捉えるのではなくて、複数の場所で東京をアピールしながら自動車もアピールするということを是非やっていきたいと考えている」と改めて強調した。

また2017年秋に開催した東京モーターショーに関しては「クルマ離れといわれる中で、できるだけクルマのファンづくり、クルマに興味を持ってもらうという取り組みに力を入れて進めてきた。結果として来場頂いた77万人のうち4人にひとりが女性、それから15歳から39歳までの比較的若い方の来場比率が51.3%と大幅に増加をした」ことを披露。

その上で「クルマ離れといわれる中で若い人、あるいは女性の皆さんに来て頂いたことは、我々が当初、(次回開催の)2019年に向けてのマイルストーンを(今回のショーで)造っていくという意味では、比較的着実な歩みを踏むことができたのではないかと評価をしている」と総括した。

一方で「できれば海外の完成車メーカーからみても新技術をアピールする上では東京モーターショーで出すのが非常に良い、ラスベガスのCES(コンシューマーエレクトロニクスショー)に匹敵するようなテクニカルショーにしていきたい」と次回開催に向けての課題もあげた。

またモーターショー開催の谷間となる2018年のイベントについては「従来も非開催年のイベントをやっているが、内容的により充実したものにしていきたいと考えて、今企画を始めたところ」と述べていた。

日本自動車工業会 西川廣人 会長《撮影 小松哲也》 日本自動車工業会定例会見《撮影 小松哲也》