WHILL Model A(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》

大きめのウッドチップを敷き詰めた仮想ラフロードを、スタイリッシュな4輪駆動の車いすがグイグイ進む。モビリティベンチャー「WHILL」の社名と同じ『WHILL』の試乗会場では、そんな様子が関心を集めていた。

WHILLは2011年の東京モーターショーにプロトタイプを出展。それまでの車いすの概念を覆すデザイン性や操作性で注目を集め、その後に「Model A」として製品化、日米合わせて1000台以上を販売してきた。今回はその「A」と新型の「Model C」を出品している。

いずれのタイプも、そのスタイルが斬新(ざんしん)だ。もと日産自動車の開発担当としてデザインに携わっていた経験のある、現最高経営責任者の杉江理氏がスタイリングを担当。「いす」に座っているように見えないことを重視し、自動車やバイク、自転車などと同様に、手を前に出して「乗り物」に乗っているように見えることを意識、利用者が「運転している」感覚を大事にしたという。2015年には「A」がグッドデザイン大賞を受賞している。

新型の「C」は、車載性や収納性を高める分解機能、取り外し可能なバッテリー、片流れ防止機能、ショッピングバスケット、ワイヤレスで使用できるスマートキーの採用など、外出時の使い勝手を更に良くする機能を新たに搭載している。

「オムニホイール」と呼ばれるタイヤも大きな特徴だ。24個の小さなタイヤの集合体で、この小さなタイヤがひとつひとつ横に回ることで、76cmの回転半径を実現している。4輪駆動とも相まって最大5cmの段差の乗り越えも可能という。会場での試乗でも、段差や凸凹面を軽々と走破していた。

「C」のメーカー希望小売価格は、コストダウンなどで「A」の約半分以下の45万円に抑えた。これは電動車いすの普及価格帯の範囲だ。様々な最新機能や、これを利用して得られる体験などを考えれば、十分にその価格に値するだろう。

ブースの担当者は「車いすの利用者はもちろん、免許証を返納した高齢者の方や、遠くまで行くのが億劫(おっくう)だと感じている方などにも使ってほしい」と話していた。

WHILL Model A(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model A(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model A(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model C(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model C(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model C(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model C(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model C(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model C(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model C(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model C(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model C(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model C(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model C(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》 WHILL Model C(福祉機器展2017)《撮影 嶽宮三郎》