新型『4シリーズ』は、2ドアのクーペと同カブリオレ、4ドアハッチのグランクーペの3つのボディタイプを設定。プラットフォームの一部は『3シリーズ』をベースにしているが、ボディなどは4シリーズ専用となっている。
3シリーズと比べるとかなりボリューム感があり、低く構えた姿はプレミアムクーペらしい存在感がある。実際ボディ幅は1825mmもあり、3シリーズより25mmワイド化されている。全高は1375mmと3シリーズよりも55mmも低くなっている。ワイド&ローが強調されたスポーティなプロポーションだ。
エクステリアの注目点は新デザインのLEDヘッドライト。新世代のモデルはヘキサゴン(六角形)のアクティブ・フルLEDヘッドライトに変更され、4シリーズも同様のデザインになった。もちろんテールランプもLEDだ。
インテリアではクーペらしく、後方に付けられたシートベルトを肩口まで運んでくれるベルトガイドが付けられている。余談だが、同じクーペのレクサス『LC』は、4シリーズよりずっと高価な車両価格にもかかわらずベルトガイドがない。クーペを作り慣れたドイツ勢とはこうした細かな点で差がついてしまう。
4シリーズのベース車となる「420i」に搭載するエンジンは、2リットル直4のツインパワーターボ。最高出力184馬力、最大トルク270Nmを発揮し、8速ATが組み合わされる。今回試乗した「430i」は同エンジンのハイパワー版で、252ps、350Nmを発揮する。よりパワフルな3リットル直6ツインパワーターボの440iも設定されるが、スタイル重視なら420iでも動力性能に不満はない。
実際、スタートから力強い加速感が確かめられる。1350という低回転から最大トルクを発生させているため、アクセルを深く踏み込まなくても周りのクルマをリードできる。変速は極めてスムーズで、この8速ATの出来のよさにはいつも感心させられる。
コーナリングでは3シリーズと違う、4シリーズならではのスポーティな感覚が味わえる。ボディがワイド&ローのためトレッドがワイドになり、4輪がしっかりと路面をつかんでいる感じがドライバーに伝わってくる。
コーナリング時の姿勢変化、とくにロールが少ないのも420iの特徴。これは3シリーズに比べ重心が40mmも低くされた効果の1つだ。ステアリングフィールもスポーティでコーナーでのノーズの動きは軽く、かつクイックだ。
ノーマルでもリヤは255/35R19のワイドなタイヤを履くが、段差を通過しても乗り心地がよく突き上げ感がない。
試乗車はアダプティブMサスペンションやMスポーツブレーキ、19インチアルミホイールを装着したファスト・トラック・パッケージ装着車だから、よりダイレクトなドライビングフィールになっている。このオプションは18万円で装着できるためコストパフォーマンスが高い。
■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★
丸山 誠|モータージャーナリスト/AJAJ会員
自動車専門誌やウェブで新車試乗記事、新車解説記事などを執筆。キャンピングカーやキャンピングトレーラーなどにも詳しい。プリウスでキャンピングトレーラーをトーイングしている。
【BMW 430iクーペ Mスポーツ 試乗】3シリーズ とは似て非なるコーナリング…丸山誠
2017年09月09日(土) 20時00分
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