いすゞ自動車が8月4日に発表した2018年3月期第1四半期(4〜6月期)決算は、同四半期として2年ぶりの増収増益となった。瀬戸貢一常務執行役員は同日、都内で開いた決算説明会で「滑り出しとしてはまずまずの結果になった」と述べた。
瀬戸常務は同四半期の車両販売に関して「国内の全需そのものは若干減少しているが、(いすゞの)販売は前年並みで結果として小型大型ともにシェアを上げた。海外のCV(商用車)に関しては引き続き中近東アフリカが弱いが、それ以外の地域は前年並み。LCV(小型商用車)はタイ国内がほぼ前年並み。中近東アフリカが低調だが、その他の地域は堅調ということで輸出全体としては前年に対して増加という結果になった」と説明した。
いすゞの同四半期の国内車両販売台数は前年同期比0.4%増の1万6595台だった。普通トラックのシェアは34.1%と1年前に比べて2.9ポイントの上昇。小型トラックのシェアも38.9%と0.1ポイントではあるが前年を上回っている。海外販売台数は同6.8%減の9万7063台で、総合計では同5.9%減の11万3658台にとどまった。
一方で瀬戸常務は「産業用エンジンが中国を中心に非常に好調であること、それから保有事業の売上も着実に増加している」とも指摘。
その上で「第1四半期の決算としては為替好転に加えて、保有事業それから産業用エンジンの伸びで増収。営業利益に関しては原材料の値上がりによるマイナス分を原価低減でカバーし、また前年発生の多かった成長戦略費用などの減少により増益。滑り出しとしてはまずまずの結果になった」と総括した。
通期見通しに関しては「中近東アフリカが計画に比べて若干弱いなど、まだ読み切れていない部分が残っているということで現時点では据え置いている」と述べた。いすゞは通期の営業利益を前期比3.8%増の1520億円を見込んでいる。
またこの日、いずれもいすゞと提携関係にあるトヨタ自動車とマツダが相互出資および新たな業務提携を発表したことについて瀬戸常務は「トヨタとはいろいろお話はさせて頂いているが、具体的な形のものはない。マツダも次世代のピックアップに関してはOEM供給することは予定通り粛々と進んでいる」と、現時点での両社との関係を説明した。
さらに「今後のアライアンスに関するスタンスは、可能性のあるものは他社といろいろな形でやっていくことに基本的に変わっていない」との方針を改めて示した。
いすゞ 瀬戸常務「滑り出しとしてはまずまずの結果」…2期ぶりの増収増益で
2017年08月04日(金) 20時23分
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