
ドイツのBMWミュージアムは6月7日から、「Belle Macchine. Italian Automotive Design at BMW」展を開催する。この展覧会では、イタリアンデザインがBMWに与えた影響を探り、過去数十年にわたるコーチビルディングとボディデザインの進化を振り返る。
BMWは1930年代からイタリアのコーチビルディング文化からインスピレーションを得てきた。ジョルジェット・ジウジアーロ、ジョバンニ・ミケロッティ、マルチェロ・ガンディーニといった著名デザイナーとの協力により、ブランドに永続的な印象を残すアイコニックな車両が生み出された。
展覧会を企画したアンナ・シュライペンとクラウス・アントン・アルテンブフナーは、「BMWはイタリアの影響を活用し、クラスとエレガンスを現代的なフォルムと機能性と融合させた自動車デザインを創造してきた。イタリアンデザインとドイツの技術的卓越性の組み合わせが、BMWのプレミアムメーカーへの成長の重要な推進力となった」と説明している。
展覧会はBMWミュージアムの象徴的な「ボウル」内の5つのプラットフォームとランプにわたって展開される。マルチェロ・ガンディーニが手がけたBMW『ガルミッシュ』コンセプトカーは、イタリアンスタイルの真髄を表現し、1970年代のオリジナルBMW『3シリーズ』と『5シリーズ』のデザインに大きな役割を果たした。
展示では、BMW『1800 TI/SA』などの人気量産車をはじめ、イタリアンデザイナーのスタイリスティックな影響が多くのモデルで成功裏に活用されたことが明らかになる。また、BMWによる自動車メーカー「グラス」の買収も注目され、「グラセラーティ」の愛称で親しまれるBMW『3000 V8』を含む3台の車両が展示される。
さらに、BMW『ピニンファリーナ グランルッソ クーペ』、BMW『2800 GTS フルア』、ファブリツィオ・ジウジアーロがデザインしたBMW『ナスカ M12』などのワンオフモデルも紹介される。これらのモデルは、創造的インスピレーションの源として会社が委託したものや、BMWがパートナーを探していた際にイタリアンデザイナー自身が提案したものである。
展覧会は、かつてのイタリア流のオリジナル「ノイエクラッセ」の現代的後継者であるBMW『ビジョン ノイエクラッセ』のモデルと、BMW『M1 オマージュ』などの特別研究車両でフィナーレを迎える。これらの車両は、当時のイタリアンデザイナーの功績を認識し、最新の創造物のインスピレーション源として自社のデザイン史を再解釈するBMWの姿勢を示している。






