白鳥橋掛け替え工事で現れた都電遺構《写真撮影 高木啓》

東京都心を縦横に走っていた“都電”、東京都交通局が運営する路面電車だ。道路を自動車と混走していたが、ごく一部を除き1970年代初期までに廃止された。その遺構が、河川改修工事に伴い神田川白鳥橋で発見された。10月15日と16日に一般公開される。

文京区後楽2丁目と新宿区新小川町との間で神田川をまたぐ白鳥橋は、東京都建設局施行の「神田川整備工事」において掛け替え工事が進行中だ。この工事で橋の舗装を撤去したところ、都電の遺構である敷石とレール(複線分)が発見された。半世紀以上を経て、再び日の目を見たわけだ。廃止時点で39系統(早稲田〜厩橋1丁目)が運行されており、現在は都バスの上69系統(小滝橋車庫前〜上野公園)がほぼ同じ区間で運行されている。

現在、白鳥橋橋上は工事中で、周辺から見学できるスペースもないため、東京都建設局では日時を決めて見学エリアを設けることにした。第2回公開日時は10月16日(水曜日)13時00分〜15時00分、事前の見学申し込みは不要。入場は文京区側(北詰)からのみ。

路面電車が廃止されるとレールや敷石は撤去し、道路を舗装し直すが、撤去せずに上からアスファルトなどで覆う場合もあった。最近では2019年の暮れに、お茶の水橋(千代田区神田駿河台2丁目〜文京区湯島1丁目)の改修工事で、都電の古いレールと敷石が発見されている。

白鳥橋掛け替え工事で現れた都電遺構《写真撮影 高木啓》 白鳥橋掛け替え工事で現れた都電遺構《写真撮影 高木啓》 白鳥橋掛け替え工事で現れた都電遺構《写真撮影 高木啓》 白鳥橋掛け替え工事で現れた都電遺構《写真撮影 高木啓》 白鳥橋掛け替え工事で現れた都電遺構《写真撮影 高木啓》 白鳥橋掛け替え工事で現れた都電遺構《写真撮影 高木啓》 白鳥橋掛け替え工事《写真撮影 高木啓》 白鳥橋北詰(東詰)。写真奥が早稲田方面、手前が厩橋1丁目方面。上は首都高速5号線《写真撮影 高木啓》 白鳥橋を下流から臨む。写真左手が南詰(西詰、早稲田方面)、右手が北詰(東詰、厩橋1丁目方面)《写真撮影 高木啓》 白鳥橋南詰(西詰)。写真左手の早稲田方面からきた都電は、左に曲がって白鳥橋を渡り、本郷台地に登って厩橋1丁目方面へ向かった《写真撮影 高木啓》 白鳥橋掛け替え工事《写真撮影 高木啓》 お茶の水橋改修工事で発見された線路(2020年1月撮影)《写真撮影 高木啓》