後席シートベルト《写真提供 写真AC》

クルマ生活に関連する「社会・経済」情報をさまざま取り上げている当コーナー。前回からは「後席シートベルト」について考察している。ちなみにこの装着が義務付けられたのは2008年だが、前回の記事にてリポートしたとおり、装着率はまだまだ低い…。

そのデータがJAFから公開されている。昨年の10月から12月にかけてJAFと警察庁が合同で行った調査によると、「後席シートベルト」の装着率は、一般道路で42.9%、高速道路では78.0%にとどまっている。

ちなみに装着しない人の理由として多いのは、「装着しにくいから」、「窮屈に感じるから」、これらだという。

なお「窮屈に感じる」という不満については、正しく装着することである程度は緩和可能だ。で、正しく装着するには、ポイントが3点あるとJAFはHPにて説明している。1つ目は「肩ベルトを首にかけないこと」。鎖骨の中央から肋骨、胸骨を通るように着用すると良い。2つ目は、「腰ベルトを腹部の上に通さないこと」。正しくは、骨盤の左右の腰骨を押さえるように装着するとベストだ。そして3つ目は、「ヘッドレストを正しい高さに合わせること」。ヘッドレストの中心に目と耳の延長線を合わせると、追突時の首への衝撃も和らげられる。

続いては、装着しやすくするコツを3つ紹介したい。これについてもJAFがHP内で次のように説明している。まず1つ目は「ななめ座りをする」というものだ。後部シートに乗り込んだときに浅く腰掛け、まずは体をドアの方向に向けてシートベルトを引き出し、シートベルトをもったまま今度はバックル(差し込み口)が見やすいように内側に体を45度から90度向けてタングをバックルに差し込む。その後に深く腰掛けてシートベルトを正しい位置に直せばOKだ。

2つ目のコツは、「降りるときに準備をしておく」というものだ。つまり降車時にシートベルトをはめておく。そうすれば次に乗り込むときに、タング(金具)とバックルが見つからないということが起こらなくなる。で、乗り込む際にははめてあるシートベルトの上から座り後ろ手でシートベルトを外す。そうしてベルトを前側に回して装着し直す。その後に深く腰掛けてベルトを正しい位置に直そう。

そして3つ目のコツは、「タングとバックルにシールを貼る」というものだ。タングは左右の席のものと中央席のものとでサイズが微妙に違っている。なのでこれを取り違えると装着できない。ちなみに中央席用のタングには「CENTER」と書いてあるはずだが、暗い車内では見えづらい。なので「蓄光シール」等を用意して、対になっているバックルとタングに同じシールを貼っておくと分かりやすくなる。

後席シートベルトは、もしものときの命綱となる。後席に人を乗せる際には、シートベルトの着用を促したい。