インドネシア/ジャカルタで2月16日(現地時間)に開催されたIIMS2023。オープニングセレモニーではジョコ大統領が出席した《写真撮影 会田肇》

「インドネシア国際モーターショー(IIMS)2023」が2月16日、ジャカルタ市内の「ジャカルタ・インターナショナルEXPO(JIEXPO)」でスタートした。

開催テーマは“Bringing Opportunity for Otomotive Society Together”。新型コロナウイルスにより大きな影響を受けたインドネシアの自動車市場だが、2020年以降、政府による活動制限の緩和や新車需要喚起のための減免措置などにより、その状況は大きく改善を見せている。折しもインドネシア国内でも中国勢の伸張が著しく、インフラはまだまだ脆弱ではあるものの、新たな市場開拓としてEVへの期待も膨らむ。IIMS 2023そうした中での開催となった。

今回のIIMS 2023に出展したのは、4輪車や2輪車を含めた45ブランド。一部のワールドプレミアを含め、18モデルがインドネシア国内で初披露されることとなった。電気自動車の出展は、二輪車や電動バイクを含め、合計 14 ブランドが披露される。初日の16日はプレス&VIPデーで、ジョコ・ウィドド大統領が出席したオープニングンセレモニーが開催され、午後からはプレスカンファレンスが続いた。

セレモニーでインドネシア共和国のジョコ大統領は、「私たちの自動車産業は引き続き前向きな傾向にある。2022 年の自動車販売台数は18% 増加し、108万台になった。二輪車も2022年に33%増加して520万台になるだろう。それは今までにない動きだ。今後も適切な管理を続けないと、この環境は維持できない」と述べ、2022年に47万台を超えた輸出をさらに延ばしていくことも奨励した。

そして、ジョコ大統領は、大統領首席補佐官のバンバン・ソエサチョ、アイルランガ・ハルタルト経済担当調整大臣、アグス・グミワン・カルタサスミタ産業大臣が同行する中、IIMS2023の開催を宣言した。

インドネシアで開催されるモーターショーは、他のアセアン諸国で開催されるショーと同様、販売を目的としており、会期中にどれだけ多くの販売ができるかが重要になる。そのため、ショーに合わせて特別に低利に設定したローン金利や、ショーのために製作した特別仕様車を用意するなど、多数の販売キャンペーンが実施される。ショーの成功は、国内自動車市場の動向を大きく左右すると言っても過言ではないのだ。

主催者は会期中の来場者を40万人前後と予想。会期中の売上げは昨年並みのIDR3.8兆(日本円換算:335億円)を目標とする。一般デーは17日から26日まで開催され、週末は10時00分から、平日は11時00分から展示エリアに入場できる。時間帯によっては最寄りターミナルから無料シャトルバスも運行される。

ジョコ大統領以下、関係者が出席してIIMS2023の開催が宣言された《写真撮影 会田肇》 IIMS2023の会場となったジャカルタ・インターナショナルEXPO(JIEXPO)《写真撮影 会田肇》 販売目的としているショーだけに、会場内には試乗コースも設けられていた《写真撮影 会田肇》 展示会場入口に陣取ったのは三菱自動車《写真撮影 会田肇》 2022年には、日本車が牙城のインドネシア自動車市場で3%を超えるシェアを獲得した中国・ウーリン《写真撮影 会田肇》 南京汽車 (NAC)傘下となった「MG」もインドネシアでは知名度が高い《写真撮影 会田肇》 昨年MPV「STARIA」を発売して評価を上げた韓国・ヒュンダイ《写真撮影 会田肇》 インドネシア共和国政府が株式を所有する最大手石油会社「プルタミナ」の存在は大きい《写真撮影 会田肇》 会期中は低利な特別金利で購買欲を誘う《写真撮影 会田肇》