ヤマハ発動機 日高祥博 社長《写真撮影 小松哲也》

ヤマハ発動機は物価高騰を受けていわゆるインフレ手当を12月に支給する。ヤマハ発動機の日高祥博社長が12月21日、静岡・磐田市にある本社で開いた報道各社とのインタビューで明らかにした。

日高社長は「直近の物価高騰やインフレに追いつくだけの賃金を出しているかというと、やはりインフレのスピードの方が速いと感じていて、来年の春闘できちんとインフレ、消費者物価の上がり方を見ながら適切な昇給をしないと、企業としては人のアセット、これのパフォーマンスを十分引き出せないと感じている」と指摘。

さらに「春闘は年明けから組合と交渉に入るが、それで妥結しても給料に反映されるのは4月。物価はもう上がってきているし、年明け1月からも値上げする品目がたくさんある」とも話した。

その上で「4月まで待って頂くのかという部分で、世間では(業績の)良い会社がインフレ手当を支給されているという報道もあり、当社も業績が良いのでインフレ手当を出すと決定した」と手当支給の経緯を説明した。

インフレ手当は国内の約1万1000人の直接雇用の全社員を対象に一律5万円を12月の給与に上乗せして支給するという。

日高社長は「今月の給料に上乗せしてインフレ手当を払おうと思っている。それで今から来年3月くらいまではなんとかやってもらって、4月以降は本質的な賃上げを春闘で交渉していきたい」との考えも示した。

また日高社長は2022年12月期の業績について「引き続きパンデミックで外出制限、行動制限がある中で、アウトドア、レジャー需要が非常に堅調推移した。それと為替の円安も輸出中心で海外売上9割の当社にとっては仕入れのコストアップ以上に利益を押し上げる要因になった」とし、「業績面では非常に好調に推移した1年であった」と総括した。

一方、2023年の展望では「予想してないことが起こりすぎた。あまりそういったことに一喜一憂せずに、やはり本質的な体質改善、基盤強化、それからいろんな環境変化に対する新たな価値創造、成長戦略といった本質的なところに今一度立ちかえって、変革のスピードを上げていく1年にしたい」と述べていた。

ヤマハ発動機本社にあるコミュニケーションプラザ《写真撮影 宮崎壮人》 ヤマハ発動機のEVスクーター『E01』(ヤマハコミュニケーションプラザ)《写真撮影 宮崎壮人》 ヤマハ発動機のeバイクとROV(ヤマハコミュニケーションプラザ)《写真撮影 宮崎壮人》 ヤマハ発動機のeバイク(ヤマハコミュニケーションプラザ)《写真撮影 宮崎壮人》 ヤマハ発動機のモーターサイクル(ヤマハコミュニケーションプラザ)《写真撮影 宮崎壮人》 ヤマハ発動機のモーターサイクル(ヤマハコミュニケーションプラザ)《写真撮影 宮崎壮人》 ヤマハ発動機 日高祥博 社長《写真撮影 宮崎壮人》