納車済のタクシー(トヨタ カローラ)《写真提供:住友商事》

住友商事は12月19日、トルクメニスタン自動車庁向けにタクシー780台、バス1330台、合計2110台を輸出する契約を締結したと発表した。

住友商事は2021年7月、860台(タクシー・バス合計)について契約を行い、うちタクシー469台は今年11月までに納車が完了。これに続き今年11月に1250台(タクシー・バス合計)について追加契約を締結した。輸出する車両はトヨタ『カローラ』『ハイエース』『コースター』の3車種。これは同国の約1年分の新車総輸入台数に匹敵する規模であり、契約金額は1億1500万米ドル(約156億円)にのぼる。

トルクメニスタンでは、2016年1月から政府による外貨兌換規制を受けた自動車の輸入制限が行われており、慢性的なタクシー不足が続いている。不足分は周辺国から流入した車両を使った政府非公認のタクシーで補ってきたが、非正規タクシーは料金支払い等でトラブルが多発しており、政府は非正規タクシーを規制。市民の移動に影響が出始めている。この問題を解決すべく、同国政府は外貨流出を抑制しながらタクシーおよびバスの台数を増やすことを決定。2018年から住友商事と自動車庁とで交渉を重ね、2021年、2022年の同国のタクシー・バス輸入をほぼ一手に担う規模の今回の契約に至った。

住友商事は、イラクやリビア、ウクライナといった新興国にて、長年にわたる自動車流通事業の経験と実績を有している。トルクメニスタンでは2015年に自動車輸入販売代理店事業に参画し、同国のトヨタ正規販売代理店として知見を蓄えてきた。これらの知見に加えて、トヨタ自動車やトルクメニスタン政府との関係強化、また事業展開に際しての徹底したリスクマネジメントを通じて、本案件が実現。同社は本案件を通じて、同国の政府公認タクシーの不足を解消し、安心・安全な移動手段を提供していく。

納車予定のバス(トヨタ ハイエース)《写真提供:住友商事》 納車予定のバス(トヨタ コースター)《写真提供:住友商事》