トーヨータイヤ セルビア工場(パース図)《写真提供:TOYO TIRE》

TOYO TIRE(トーヨータイヤ)は12月14日、セルビア・インジヤ市に、欧州初となる自動車用タイヤ生産工場を正式に開所したと発表した。

セルビア工場は、ERP(統合基幹業務システム)、MES(製造実行システム)をはじめとした最新技術の導入によって、工程を見える化。高い生産性を有する設備を高精度に連携させることで、生産管理体制を高次に最適化していくスマートファクトリーとなっている。

同社は2019年、ドイツ国内にR&Dセンターを新設し、最先端原材料の探索や調査、車両・市場の最新情報の収集、構造・形状・パターンといった各設計過程における高性能技術開発を続けている。これらの最先端技術を生かし、同工場ではEV化をはじめ市場インサイトに応える高性能で競争力のあるタイヤを生産していく。

工場棟横には、直線距離720m、周回1690mのテストコースを併設。実車装着での走行テストを行い、欧州地域で細かく定められている法規制認証に対応した評価をスピーディーに実施することで、魅力ある製品をよりタイムリーに市場へ提供する。また敷地内には、同国内最大規模となる太陽光発電システム(発電電力容量8.4MW)を設置。年間10.15GWhの発電電力をまかない、同7100トンのCO2の削減にも寄与していく。

同工場は、2023年下期には年産約500万本(乗用車用タイヤ換算)の生産体制を確立し、欧州地域での地産地消を進める一方、主力市場である北米をも主要ターゲットとしてカバーして供給していく。