ダットサン  フェアレディ《写真撮影  内田俊一》

39th東京ベイサイドクラシックカップ(TBCC)が袖ヶ浦フォレストレースウエイにおいて12月11日に開催された。主催はTBCC事務局。

年4回、袖ヶ浦フォレストレースウェイ(千葉県袖ケ浦市)にて開催されているTBCCも10シーズン目、39回目を迎えた。ヒストリックカーでのサーキット走行の敷居を下げたいという思いからスタートしたこのイベント。

徐々にその人気が出てきて、いまでは100台を超える参加台数に成長。スポーツ走行をはじめ、これまでのラップタイムでクラス分けされる4つのレースカテゴリーや、日本で唯一の戦前車がサーキットを走行できるヴィンテージスポーツまでカテゴリーは多岐にわたる。あえてスポーツ走行のカテゴリーを作った目的は、まずはサーキットの楽しさを感じてもらえればと一部現代車も参加可能とし、サーキットの走り方やマナーなどをそこで学び、ゆくゆくはヒストリックカーレースに参加してもらいたいという、いわば人材育成のためである。

今回そのスポーツ走行に10代の女性がアルファロメオ『ジュリアスーパー』でサーキットデビュー。ドライバーズミーティングでも、リアナンバープレートに黄色地に黒反射テープが貼ってあるので注意するようにアナウンスが為された。確かに速度はそれほど速くはないものの徐々に慣れていったようで、2回目の走行ではラップタイムは飛躍的に向上したようだ。また、ほかにも数台同じようなクルマが走行していたが、全くトラブルなく非常にスムーズな運営が行われた。このように若手やサーキット初心者をきちんと育てていく環境を整え、実践しているイベントはほとんどなく、このイベントの価値を大いに高めている。

もうひとつこのイベントの特徴は、前述した戦前車のカテゴリーがあることだ。今回は残念ながら5台のエントリーにとどまったが、公道を主に使うヒストリックカーラリーなどを見ると、例えばブガッティなどは当時のレースマシンが多く出場しているし、ベントレーなどもスポーツモデルを多く見かける。ぜひそういった公道だけでなく、サーキットでも積極的にその実力を見せて欲しいと感じた。

これまでの10シーズンを通して、全体としてマナーやスキルが格段に向上したことも特筆すべきだろう。開催当初から3年程は結構荒れたレースが見受けられたものだが、近年はそういったことは減っており、特に今回は大きなアクシデントは見られず、バトルはするものの、最後の最後は引くという駆け引きを展開。見ていて爽快な気分にさせるレースであった。

次回は2023年3月5日に袖ヶ浦フォレストレースウェイにて開催予定である。

MINI《写真撮影  内田千鶴子》 ロータス コーティナ《写真撮影  内田千鶴子》 ジネッタ G12《写真撮影  内田千鶴子》 アルファロメオ ジュリアスーパーでサーキットデビュー《写真撮影  内田俊一》 MG Lタイプマグナなど5台が出走したヴィンテージクラス。後方はアルファロメオ 6C《写真撮影  内田俊一》 アルファロメオ1300GT Jrと連ハムGT《写真撮影  内田俊一》 ホンダ S600《写真撮影  内田俊一》 トヨタ パブリカ《写真撮影  内田俊一》 アルファロメオ ジュリアスーパー《写真撮影  内田俊一》 ロータス ヨーロッパ《写真撮影  内田俊一》 最も速いカテゴリーのクリスタル・スーパークリスタルカップがグリッドに並ぶ《写真撮影  内田俊一》 ホンダ S800《写真撮影  内田俊一》 フォード アングリア《写真撮影  内田俊一》 ロータス エラン《写真撮影  内田俊一》