国葬儀場の設営(9月26日、東京・武道館)《Photo by Takashi Aoyama/Getty Images News/ゲッティイメージズ》

「死者に鞭打つ」などというつもりもないが、賛否の論争が拡大し、世論を分断する中、参院選の遊説中に銃撃されて亡くなった安倍晋三元首相の国葬が、きょう(9月27日)午後2時から東京の日本武道館で執り行なわれる。

国葬には210以上の国、地域、国際機関の代表団らの約700人のほか、国内外から計4300人が参列する見通しという。

きょうの各紙も日経を除く5紙が国葬関連を1面トップで報じているが、記事にも温度差があり、評価が割れている。読売は「安倍外交『継承・発展』首相、弔問外交を開始」。朝日も「米副大統領らと弔問外交」をサブタイトルに、岸田首相が安倍氏の外交路線を受け継ぐ姿勢を示したなどと取り上げている。毎日は「厳戒下きょう国葬、警備に2万人」として「異例の厳戒態勢で当日に臨む」。

興味深いのは産経が「偉大なリーダーへ、心より弔意を込めて」と題する特別紙面で、弔意を示すために実施したクラウドファンディングに賛同した人の名前を掲載。一方、東京は「国葬論争社会を分断、政界、経済界対応に苦慮」とのタイトルで、「国葬を実施することで逆に静かに弔うことを妨げ、国民の反発と社会の分断を招いている」と伝えている。

国葬の意義についての賛否はともかくとして会場周辺や都心部は広範囲で交通規制が強化され、2万人の警備要員を投入するなどの厳戒態勢となるという。国葬が営まれる正午ごろから午後9時ごろまでの最大10時間、首都高速道路の交通規制では都心環状線や新宿、渋谷方面などに至る複数区間が通行止めとなるほか、一般道も国葬会場となる日本武道館周辺の靖国通りの一部や千鳥ケ淵緑道で車両を通行止めにするという。1年前の東京五輪期間中の渋滞を彷彿とさせるようだが、22年度上半期の月末が迫る中で物流への影響が気掛かりだが、不要不急の外出は極力控えるほうがよさそうだ。

2022年9月27日付

●コロナ入国検査撤廃、来月11日(読売・1面)

●円安再び144円台、株722円下げ、22日の介入、3兆円規模か(読売・2面)

●いすゞも露撤退検討、販売含め(読売・9面)

●安倍元首相きょう国葬、米副大統領らと弔問外交、根強い懸念、多い反対(朝日・1面)

●けいざい+レース技術を市販車に、トヨタ、「手ごろ」から「憧れ」へ(朝日・6面)

●西九州新幹線、3日間で3.2万人、在来線特急の前年から4.4倍(朝日・27面)

●社説、EVシフトと日本、車王国の地位守る戦略を(毎日・5面)

●旅行支援12月下旬まで、1人1泊に最大1.1万円(産経・2面)

●電動キックボード全国初の死亡事故(産経・28面)

●国葬反対の声前日も各地で、都内各地で交通規制(東京・22面)

●EV充電、25年に5万基、オリックスなど政府目標の3分の1(日経・1面)

●ルノー構想のEV新会社巡り「日産のメリットを重視」内田社長、参画、慎重に検討(日経・14面)

●空飛ぶクルマ、スカイドライブ96億円を調達、スズキなどから(日経・14面)

●ホンダ向けEV駆動装置、日立アステモが受注(日経・14面)

●トヨタ紡織もロシア撤退検討(日経・15面)

国葬儀場の設営(9月26日、東京・武道館)《Photo by Takashi Aoyama/Getty Images News/ゲッティイメージズ》 SkyDriveが開発中の2人乗り機体の画像《画像提供 SkyDrive》