優勝した#3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)《撮影 益田和久》

宮城県・スポーツランドSUGOで18日、SUPER GT第6戦の決勝レースが行われ、#3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)が、雨の中徐々に順位を上げトップに浮上。そのまま2位以下を引き離して今季2勝目を挙げた。

シーズンも終盤に差し掛かり、タイトル争いの上では重要な1戦となる今大会。GT500クラスは#12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)が44.5ポイントでランキングトップ。2位は34の同ポイントで#3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)、#17 Astemo NSX-GT(塚越広大/松下信治)、#37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)が並んでいる。

17日に行われた公式予選では#19 WedsSport ADVAN GR Supra(国本雄資/阪口晴南)がポールポジションを獲得。以下#38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)、#23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)#100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)と続いた。

決勝レースは約300kmの84周。ローリングスタートで決勝レースの幕が切って落とされたが、比較的各車の間隔が開き、静かなスタートシーンとなった。しかしS字コーナーでZENT CERUMO GR Supra立川がペースの上がらないWedsSport ADVAN GR Supra国本を抜いてトップに浮上。国本はさらにSTANLEY NSX-GT牧野にも抜かれ、1周目で3位に転落した。

2周目にセフティーカーが入り、4周目にリスタート。そして13周目あたりから雨が降り始め、14周目に5位を走行していた#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)がピットに飛び込みレインタイヤに交換した。その翌周には多くのチームがレインタイヤに履き替えるためにピットイン。#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)、MOTUL AUTECH Z、最後尾スタートだった#36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)はスリックタイヤのまま走行を続けた。

しかし19周目、Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GTとMOTUL AUTECH Zがピットイン。au TOM'S GR Supraは天候の回復を狙ってコース上にとどまったが、12位まで転落した29周目にピットインを行いレインタイヤに履き替えた。

この時点でトップはMOTUL AUTECH Z クインタレッリ。1.8秒後に11番手スタートから徐々に順位を上げてきた#3 CRAFTSPORTS MOTUL Z 千代勝正が2番手につけていた。3位以下は雨の中でペースが上がらず徐々に引き離されていたが、ZENT CERUMO GR Supra立川、Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT大湯、#64 Modulo NSX-GT大津弘樹による激しい3位争いが繰り広げられていた。

29周で1人のドライバーの最低乗車周回数がクリアできるため、ここからドライバー交代義務を果たすため、2回目のピットストップが始まった。なお、au TOM'S GR Supraは1回目のピットインが29周目だったため義務はクリアしている。

またこのタイミングで雨の量が多くなり、各所でスピンやコースアウトが発生。それに加え雨の量によって各マシンのペースが大きく異なり、一気に順位が変動した。

その後雨は止み、路面は徐々に乾いてきた。真っ先にスリックタイヤに履き替えたのは3位を走行していたZENT CERUMO GR Supraで53周目。それを見て2位のMOTUL AUTECH Zが54周目、トップのCRAFTSPORTS MOTUL Zが55周目にピットインしてスリックタイヤに履き替えた。

後続も続々とスリックタイヤに履き替え、後半戦はドライ路面での戦いとなった。しかし走行ライン上は乾いているものの、ラインから少し外れると路面が濡れているので、オーバーテイク時は慎重なドライビングが要求される。

その結果、周回遅れのカルソニック IMPUL Z平峰とDENSO KOBELCO SARD GR Supra中山による4位争いの中に、トップのCRAFTSPORTS MOTUL Z高星が入り込んで抜けないという状況も発生した。

最終的にCRAFTSPORTS MOTUL Zが2位を9秒引き離して今季2勝目。これでランキングもトップに浮上した。2位はMOTUL AUTECH Zで、同じNISMOチームによる1-2フィニッシュとなった。

3位はRed Bull MOTUL MUGEN NSX-GT、4位はZENT CERUMO GR Supraでここまでが同一周回。周回遅れとなった5位以下は、カルソニック IMPUL Z、DENSO KOBELCO SARD GR Supra、Modulo NSX-GTと続いた。

GT300クラスは13番手スタートから雨の中徐々に順位を上げ、32周目にトップに立った#2 muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威)が、最終的に2位以下を1分以上引き離し、完全独走で優勝した。

2位争いは僅差の戦いとなったが、#10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき/塩津佑介)と#11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍)による、同じGAINER同士の戦い。最終的に順位を入れ替えることはなく、#11が2位、#10が3位でチェッカーを受けた。

次戦、SUPER GT第7戦は10月1日・2日の日程でオートポリスを舞台に開催される。

■SUPER GT第6戦SUGO、GT500クラス決勝結果(トップ10)
1. #3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)
2. #23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)
3. #16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)
4. #38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)
5. #12 カルソニック IMPUL Z(平峰一貴/ベルトラン・バゲット)
6. #39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra(関口雄飛/中山雄一)
7. #64 Modulo NSX-GT(伊沢拓也/大津弘樹)
8. #100 STANLEY NSX-GT(山本尚貴/牧野任祐)
9. #37 KeePer TOM'S GR Supra(サッシャ・フェネストラズ/宮田莉朋)
10. #36 au TOM'S GR Supra(坪井翔/ジュリアーノ・アレジ)

■SUPER GT第6戦SUGO、GT300クラス決勝結果(トップ10)
1. #2 muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威)
2. #11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍)
3. #10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき)
4. #56 リアライズ日産メカニックチャレンジ GT-R(藤波清斗/ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ)
5. #7 Studie BMW M4(荒聖治/アウグスト・ファルフス )
6. #65 LEON PYRAMID AMG(蒲生尚弥/篠原拓朗)
7. #55 ARTA NSX GT3(武藤英紀/木村偉織)
8. #61 SUBARU BRZ R&D SPORT(井口卓人/山内英輝)
9. #96 K-tunes RC F GT3(新田守男/高木真一)
10. #25 HOPPY Schatz GR Supra(松井孝允/野中誠太)

#3 CRAFTSPORTS MOTUL Z(千代勝正/高星明誠)のチェッカーシーン《撮影 益田和久》 GT500クラス表彰式《撮影 益田和久》 2位の#23 MOTUL AUTECH Z(松田次生/ロニー・クインタレッリ)《撮影 益田和久》 3位の#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT(笹原右京/大湯都史樹)《撮影 益田和久》 4位の#38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)《撮影 益田和久》 #38 ZENT CERUMO GR Supra(立川祐路/石浦宏明)のピット作業《撮影 益田和久》 静かなスタートシーンとなったGT500クラス《撮影 益田和久》 GT300クラス表彰式《撮影 益田和久》 GT300クラス優勝の#2 muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威)《撮影 益田和久》 GT300クラス2位バトル。#10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき)(手前)と#11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍)《撮影 益田和久》 GT300クラス2位バトル。#11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍)(手前)と#10 TANAX GAINER GT-R(富田竜一郎/大草りき)《撮影 益田和久》 GT300クラススタートシーン《撮影 益田和久》 #2 muta Racing GR86 GT(加藤寛規/堤優威)のピット作業《撮影 益田和久》 #11 GAINER TANAX GT-R(安田裕信/石川京侍)のピット作業《撮影 益田和久》