パナソニックホールディングスの楠見雄規社長《写真撮影 山田清志》

パナソニックホールディングス(HD)は7月13日、サステナビリティ説明会を開催し、楠見雄規社長は「2030年度までに自社工場から排出するCO2排出量を実質ゼロにする」と述べた。

同社は今年1月、新たな環境コンセプト「パナソニックグリーンインパクト」を発表。その中で、自社工場のCO2排出量の削減に加え、省エネ性に優れた同社の製品やサービスを使ってもらうことによって、50年度までに3億トン以上のCO2削減に貢献する計画を掲げた。

その環境目標の達成に至るマイルストーンとして、今回、自社バリューチェーン(VC)におけるCO2排出の削減量や社会のCO2排出の削減貢献量について、24年までに実現する具体的な行動計画と30年の目標を策定した。

それによると、24年度には20年度比の5倍超にあたる37工場でCO2排出量の実質ゼロを目指すとともに自社VCのCO2排出量を1634トン削減する。また、社会へのCO削減貢献量を20年度の2347万トンから39830万トンに拡大する。さらに、工場廃棄物のリサイクル率を99%以上にあげ、再生樹脂使用量も20年の2倍超である9万トンに増やす。

そして、30年には自社工場でCO2排出量のゼロ化を達成し、電化、エネルギー効率、水素の領域を中心に事業競争力を強化して、9300万トンのCO2削減に貢献する。その内訳は電化で7000万トン、エネルギー効率で1700万トン、水素で600万トンとなっている。

特に電化で大きな貢献を果たすと期待しているのが環境車向け車載電池だ。「20年度から30年度に31%の市場拡大が見込まれている。その中で当社は環境車の普及に必要な性能やコスト力を徹底的に強化し、特に当社のリチウムイオン電池の品質や性能の強みを必要とされるお客さまにフォーカスして強固な関係性を築いていく」と楠見社長は説明。

高容量・高信頼そして低カーボンフットプリントといった電池技術で業界をリードするとともに、材料革新や製造プロセス革新によってコストを抑え、サプライチェーンの最適化によって安定的な供給を行って、CO2削減貢献量を20年度の800万トンから24年度2100万トン、そして30年度には5900万トンにまで高める。

「パナソニックグリーンインパクトにこめた思いは、私どもの責務や貢献に果たしきるという決意だけではない。私どもの活動が地球環境を憂慮する世界中の皆さまの思いと繋がって、社会へのインパクトとなって、影響を与え、波紋となって、広範囲にお客さまや他の会社への活動にも広がっていく。そういう願いをインパクトという言葉に込めている」と楠見社長は強調していた。

環境行動計画について説明する楠見雄規社長《写真撮影 山田清志》