2022スーパー耐久第3戦SUGO《撮影 益田和久》

2022年のENEOS スーパー耐久シリーズ Powered by Hankookの第3戦がスポーツランドSUGOで行われ、グループ1決勝はNo.888 Grid Motorsport AMG GT3が優勝を飾った。

今回のSUGO大会は、全体を2つのグループに分けて、それぞれ3時間耐久レースで開催。ST-X、ST-Z、ST-1クラスがグループ1。ST-3、ST-4、ST-5クラスはグループ2に分類された。なお、今年は参戦台数増加に伴い、ピットやパドックのスペースを確保するため、各大会で“不参加クラス”が設定され、今大会ではST-2クラスがそれに該当することとなった。

またカーボンニュートラル導入や車両開発を目的とした車両が参戦するST-Qクラスは、各車の性能に応じてグループ分けされ、グループ1にはNo.3 ENDLESS AMG GT4とNo.244 Nissan Z Racing Conceptがエントリーした。

7月9日(土)に行われた公式予選では、セッション中に目まぐるしく天候が変わる難しいコンディションとなり、雨量が少ないタイミングでアタックができた3号車が総合トップタイムを記録した。しかし、Cドライバー予選でホワイトラインカットがあり、グリッド降格のペナルティを受けたため、ST-ZクラスのNo.500 5ZIGEN AMG GT4がポールポジションとなり、通常なら上位グリッドにいるST-Xクラスの車両が後方からスタートするという、少し珍しい展開となった。

スタート直後は、各クラスの車両が入り乱れる混戦模様となったが、そこで頭ひとつ抜け出したのは、No.23 TKRI松永建設AMG GT3。2番手以下が接戦のバトルを繰り広げている間に差を広げ、折り返しとなる1時間30分を迎える頃には20秒近いリードを築いた。

ただ、ライバルたちも残り1時間を迎えようところで追い上げを開始。なかでも888号車のメルセデス『AMG GT3』は、SUPER GTでも活躍する高木真一が乗り込むと、4番手から徐々にポジションアップ。ドライバー交代をした当初はトップと40秒近い差があったが、ゴールまで残り20分というところで23号車に追いつき、107周目のヘアピンでオーバーテイクし、逆転トップに立った。

その後、同じく後方から追い上げてきたNo.16 ポルシェセンター岡崎 911GT3Rを駆る上村優太が2番手に浮上し、トップ攻略を目指したが、888号車が逃げ切り、見事トップチェッカー。今季初勝利を挙げるとともに、ST-Xクラスでもランキングトップに躍り出た。

終盤に猛烈な追い上げをみせた高木は「ペース的に残り10分くらいで追いつけるという計算でしたけど、23号車の背後についてから追い抜くまで大変でした。トップに出てからも、16号車が後ろから来ているのは分かっていて、ピットにも『できるだけ無線交信は控えたい』と伝えて、ラップタイムも見ずに、本当に集中して走りました。トップに立ってからゴールまでが、ものすごく長く感じましたし、暑さも厳しかったので、大変でしたけど、とにかく集中して走りました」とコメント。チームの総合力で勝てた勝利だと語った。

「スタートであれだけ混走になっていたなかで、黒澤治樹選手が無理をしないでポジションを上げて来てくれたのが良かったです。あそこで焦ってしまうと余計なペナルティとかを受けることになって、最終的にこの結果も得られなかったかもしれません。それに中盤のマーティン・ベリー選手の速さも大きな鍵となりました。今回は、まさか勝てるとは思っていなかったので良かったです」

このほか、ST-ZクラスはNo.310 GRGarage水戸インター GR SUPRA GT4、ST-1クラスはNo.38 muta Racing GR SUPRAが、それぞれクラス優勝を飾った。

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