ボッシュの新研究開発施設 (c) ボッシュ《写真提供 ボッシュ》

ボッシュは2月24日、横浜市都筑区に新たな研究開発施設を設立するとともに、公民連携プロジェクトにより都筑区民文化センター(仮称)を建設すると発表した。

新研究開発施設は、事業部間の枠組みを超え、統合的なソリューションの開発をさらに強化するものとなる。日系自動車メーカーの本拠地に新たな研究開発施設を構えることで、顧客とのさらなる関係強化と緊密な協力関係の構築が可能となり、より要望に即したソリューションの提案、製品の適合強化や開発リードタイムの短縮に貢献する。

新社屋には、車両制御、安全システム、運転支援/自動運転、HMI(ヒューマンマシンインターフェイス)、車載電子部品、車載ソフトウェア、コネクテッドサービス、エンジニアリング、オートモーティブアフターマーケットなどの事業部およびグループ企業を集約。現在、東京横浜エリアに点在する8拠点を集約し、モビリティ事業以外の産業機器、消費財、エネルギー・ビルディングテクノロジー事業セクター傘下の事業部やグループ企業も同施設に移転する。移転は2024年12月までに完了する見込みだ。

新社屋は、1990年に開設した横浜市都筑区の既存の研究開発施設から約2km、センター北駅から徒歩約5分の場所に位置する。実験室や事務所、創造性を向上するためのコラボレーションエリア、ワークショップエリアを含む、地上7階、地下2階、延べ床面積5万3000平方メートルの施設で、約2000人の従業員が移転する予定。今後予定しているソフトウェアやAIなどの先進技術分野における人員増加にも対応できるだけの広さを有している。なお、既存の研究開発施設では、引き続きパワートレイン関連の研究開発と、二輪車およびパワースポーツ事業のグローバル本部としての機能を継続。パワートレイン関連の研究開発は、埼玉県東松山市にある既存の開発拠点でも継続する。

また、2018年、同社が代表するグループ企業が「横浜市都筑区における区民文化センター等整備予定地活用事業」にて事業者として決定されたことから、施設の敷地内には横浜市の要求水準等に基づき、区民文化センターを建設する。区民文化センターは、地上4階、地下1階で、災害にも強い免震構造を採用。2階には約300席のホールを、1階にはギャラリー、リハーサル室等を設ける。また誰もが安全で快適に過ごせるよう、バリアフリー設計とする。2024年9月の竣工後に横浜市に売却した後、2024年度中(2025年3月まで)の開館が予定されている。

今回の投資金額は日本のボッシュグループが行う単一の投資としては最大となる約390億円(3億ユーロ)。自社の拠点と地域の施設を一体として建設する公民連携プロジェクトに参画するのはグローバルでも今回が初めての試みとなる。