伝統のモンテ開幕、まずは#1 オジェ(トヨタ)が首位に。《Photo by Red Bull》

世界ラリー選手権(WRC)の2022年シーズン開幕戦「ラリーモンテカルロ」が現地20日、競技開始を迎えた。50年目、新規定初シーズンの初戦でもある“伝統のモンテ”初日はトヨタのセバスチャン・オジェが首位で終えている。

1973年が正式発足年とされるWRCは今年(2022年)、50年目のシーズンを迎えることとなった。この節目にレギュレーション大幅変更が重なり、トップカテゴリーのマシンは「ラリー1(Rally 1)」と呼ばれる新規定に移行。WRCの最前線は1997年から「WRカー」という規定を主軸に争われてきたが(WRカー規定も変遷しつつ)、今季、まったく新しい章に入ることとなった。WRCもハイブリッド時代に突入、である。

ラリー1のマシンを用意して参戦するのは3つの陣営、トヨタ、ヒュンダイ、Mスポーツ・フォードというWRCトップカテゴリーおなじみの顔ぶれだ。開幕戦には計11台のラリー1が集結(開幕戦の総エントリーは75台)。

競技初日の20日(木曜)は、2本のSS(スペシャルステージ=競技区間)が概ねドライのターマック(舗装路)で夜に実施された。首位に立ったのはトヨタの#1 セバスチャン・オジェ(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)。昨季、自身8度目の王座を獲得した#1 オジェは今季、フル参戦はしない意向でトヨタに残り、新たな「GRヤリス ラリー1」を駆って貫禄の初日首位につけた(オジェのコ・ドライバーは昨季限りで引退したジュリアン・イングラシアに代わり、ベンジャミン・ヴェイラが務めている)。

初日2番手はMスポーツ・フォードの#19 セバスチャン・ローブ(M-SPORT FORD World Rally Team)。ダカールラリー(四輪総合2位)から“転戦”してきたかつてのWRC9連覇王は「プーマ ラリー1」に乗り換えて、初日2本のSSともオジェに次ぐ2番手タイムをマークした(ローブのコ・ドライバーも9連覇をともにしたダニエル・エレナではなく、イザベル・ガルミッシュ)。

新時代のWRC初日は、8冠のオジェと9冠のローブ、モンテカルロを得意中の得意とする多回数チャンピオン2人が1、2番手を占める結果となっている(今季フル参戦する予定ではない合計17冠の2人が初日1-2というのは、シリーズ的にはなんとも…?)。

初日を3番手で終えたのはトヨタの#33 エルフィン・エバンス(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team)。ヒュンダイの「i20 N ラリー1」勢では#11 ティエリー・ヌービル(HYUNDAI SHELL MOBIS World Rally Team)の6番手が最高だった。今季もトップカテゴリーにレギュラー参戦する日本の#18 勝田貴元(TOYOTA GAZOO Racing World Rally Team Next Generation)は9番手。

2022年WRC開幕戦モンテカルロは現地23日にフィニッシュする予定となっている。

#1 オジェ(右)と、彼の新コ・ドライバーであるヴェイラ(左)。《Photo by TOYOTA》 WRCも「HY」(ハイブリッド)の時代に突入。《Photo by TOYOTA》 初日2番手につけた#19 ローブ(Mスポーツ・フォード)。《Photo by Red Bull》 初日6番手、ヒュンダイ勢最上位の#11 ヌービル。《Photo by Red Bull》 #18 勝田貴元(トヨタ)は初日9番手。《Photo by TOYOTA》