ピニンファリーナとフォックスコン・テクノロジー・グループ(鴻海科技集団)は12月1日、香港で開幕したInternational MotorXpoにおいて、新型EVセダンの『モデルE』を初公開した。
◆顔認識でドアを開くなど最新のインタフェース採用
フォックスコン・テクノロジー・グループ(以下、フォックスコン)は1974年、台湾で設立された。フォックスコンは、ソフトウェアとハードウェアの専門知識を活用して、独自の製造システムと新技術を統合することで、技術的ソリューションを提供する世界最大の電子機器メーカーのひとつ。Apple社の「iPhone」の生産を請け負っており、シャープの親会社としても知られている。
モデルEは、ピニンファリーナとフォックスコンの間で将来にわたって継続する重要な戦略的コラボレーションの第一歩になる。フォックスコンが市販するフラッグシップEVセダンに位置付けられる。
後席には、シームレスに接続された個人用モバイルデバイスを備えており、専用のモバイルオフィスとして活用することが可能。顔認識でドアを開き、スマートウインドウ、車両と環境の最新インタフェースなど、一連のスマートアプリケーションを実現するという。
◆モーターは最大出力およそ750hp
モデルEのEVパワートレインのモーターは、最大出力およそ750hpを発生する。パワフルなモーターと高度な制御技術の効果で、0〜100km/h加速を2.8秒で駆け抜ける。これは市販の競合EVを上回り、F1マシンの加速性能とほぼ同じという。また、1回の充電での航続は、最大750km。多くのEVユーザーが感じる航続に対する不安に応えた、と自負する。
ピニンファリーナのデザインチームは、ユーザーの車内エクスペリエンスを含めて、エクステリアとインテリアのデザインを担当した。エクステリアの特徴が、フロンド、サイド、リアのスマートサーフェスだ。これは、車両が外の世界と関わる方法を明示しているという。
このスマートサーフェスは、パワーやスポーティさと同時に、ピニンファリーナに期待されるエレガンスを表現している、と自負する。また、インテリアは、クラシックさや先進性、最新技術を一体化することを重視。イタリア・カンビアーノのピニンファリーナのアトリエで製造された。
◆ミドルエンドとハイエンドの消費者のニーズを満たす
モデルEは、ミドルエンドとハイエンドの消費者のニーズを満たすことができるフラッグシップEVセダンになるという。ピニンファリーナのSilvio Angori CEOは「フォックスコンは理想的なパートナー。われわれは、イノベーションと環境の持続可能性への関心において、同じ姿勢を共有している」と語る。
フォックスコンのテリー・ゴウ会長は、EVが世界最大かつ最も高価なスマート電子機器になっていることから、EVの普及は必然的に世界的なトレンドになると信じてきた。彼は、半導体、モジュール、精密機械などの電子製品の強力な生産能力により、台湾はEVの開発において、重要な役割を果たすことができると見込む。
なお、フォックスコンは、ソフトウェアや半導体ビジネスからのより多くのアップデートを自動車業界にもたらし、使いやすく、高効率で高性能なEVの開発を可能にする、としている。
新型EV『モデルE』、航続750km…ピニンファリーナがデザイン
2021年12月02日(木) 18時32分
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