フランク・ウイリアムズさん(写真は2016年)。《Photo by Mark Thompson/Getty Images/ゲッティイメージズ》

F1で9回のコンストラクターズタイトル獲得歴と7回のドライバーズチャンピオン輩出歴を誇る名門「ウイリアムズ」の創始者、フランク・ウイリアムズさんが逝去した。享年79。

英国出身のフランク・ウイリアムズさんは、自身のファミリーネームを冠したF1コンストラクター「ウイリアムズ」を率いて、主に1980〜90年代に大成功をおさめた。コンストラクター部門の年間王座獲得回数は9回(80、81、86、87、92、93、94、96、97年)を数え、これは現時点でフェラーリに次ぐ歴代2位の数字となっている。

ドライバーズチャンピオン輩出も7シーズンあり(80、82、87、92、93、96、97年)、ウイリアムズは通算16冠。ホンダやルノーといった自動車メーカー(エンジン供給者)とのタッグで王朝期を展開するなどした。ホンダとの共闘では86年のコンストクターズタイトル獲得、翌87年のダブルタイトル独占といった成果を残している(21世紀にはトヨタと組んだ時期もあった)。

ウイリアムズでドライバーズ王座に就いた選手は、アラン・ジョーンズ、ケケ・ロズベルグ(ニコの父)、ネルソン・ピケ、ナイジェル・マンセル、アラン・プロスト、デイモン・ヒル、ジャック・ビルヌーブ。また、最近WEC(世界耐久選手権)レギュラードライバーからの勇退を表明した中嶋一貴は、ウイリアムズでF1時代を過ごしている。

技術部門を統べていたパトリック・ヘッド氏との名コンビぶりでも知られたフランクさんは、1986年に交通事故に遭い、以降は車いすでの生活となるが、衰えぬ闘志でチームを率い、そして勝った。日本では「車いすの闘将」という異名でも有名な存在だった。

なお、現在もウイリアムズはF1に参戦しているが、創業家であるウイリアムズ家の関与は昨季(2020年)途中で終了している。

故人の冥福を祈るとともに、その偉大な足跡にあらためて敬意を表したい。

1986年のウイリアムズFW11・ホンダ(#6 ネルソン・ピケ)。《Photo by MOBILITYLAND》 2021年のウイリアムズFW43B・メルセデス(#6 ニコラス・ラティフィ)。《Photo by Pirelli》 車いす姿でチームを率いた闘将、フランク・ウイリアムズ(1997年)。《Photo by Marcus Brandt/Bongarts/Getty Images/ゲッティイメージズ》 2000年、この年にウイリアムズからF1デビューしたジェンソン・バトンと。《Photo by Mark Thompson/ALLSPORT/ゲッティイメージズ》 ライバルであったフェラーリ時代のミハエル・シューマッハーと。《Photo by Clive Mason/Getty Images/ゲッティイメージズ》 1993年はアラン・プロスト(右)とデイモン・ヒルのコンビで戦った。《Photo by GP Library/Universal Images Group via Getty Images/ゲッティイメージズ》 多くのレースをともに戦った1992年王者ナイジェル・マンセルと(写真は1994年)。《Photo by Mike Hewitt/ALLSPORT/ゲッティイメージズ》 娘であり、チーム運営にも参画したクレア・ウイリアムズ氏と(2019年)。《Photo by Charles Coates/Getty Images/ゲッティイメージズ》 2012年、70歳の誕生日を祝って。バーニー・エクレストン氏(左から2人目)、1996年王者デイモン・ヒル(右端)ら重鎮が顔を揃える。《Photo by Paul Gilham/Getty Images/ゲッティイメージズ》 1984年、当時のパートナーであるホンダの川本信彦氏と。《Photo by Bernard Cahier/Getty Images/ゲッティイメージズ》 盟友パトリック・ヘッド氏と(1985年)。《Photo by Paul-Henri Cahier/Getty Images/ゲッティイメージズ》 F1に情熱を燃やし続けたフランク・ウイリアムズ(1981年)。《Photo by Allsport UK /Allsport/ゲッティイメージズ》 フランクさん、どうぞ安らかに。《Photo by Mark Thompson/Getty Images/ゲッティイメージズ》