ブリヂストンCFO「稼ぐ力の再構築は確実に進んでいる」…3Qの調整後営業利益が約2.7倍に《撮影 山田清志》

ブリヂストンが11月11日に発表した2021年第3四半期(1〜9月)累計連結決算は、売上収益が前年同期比19.8%増の2兆4017億円、調整後営業利益は同約2.7倍の2779億円、当期純利益は同400億円の赤字から1929億円の黒字に転換した。

「半導体不足の影響で新車用タイヤ販売が減速するも、プレミアム領域での補修用タイヤ販売が好調に推移し、9カ月間の業績は対前年比で大幅な増収増益となった。トラック・バス用のタイヤが引き続き堅調に推移し、COVIT-19からやや回復が遅れいていた鉱山用タイヤも力強い回復基調に入っている」と吉松加雄CFOは2017年1〜9月期を総括し、こう強調した。

「収益性については、売値と販売ミックスの改善を進め、原材料高騰の影響をカバーしたのに加え、経費・コスト構造改革の効果も寄与し、第3四半期3カ月間の調整後営業利益率は12.2%と第2四半期を上回り、稼ぐ力の再構築は確実に進んでいる」

原材料価格の高騰で520億円の減益要因となったが、販売増(プラス870億円)やミックスの改善(プラス240億円)、生産現場の改善活動(プラス120億円)などで補った。調整後営業利益率も前年同期の5.2%から11.6%へと6.4ポイントもアップした。

グローバルのタイヤ販売本数は前年同期と比べ、乗用車用が12%、トラック・バス用が18%伸びた。特に新車向けトラック・バス用タイヤが34%増と大きく伸長した。新車向け乗用車用タイヤは11%増だった。補修向けタイヤは乗用車用、トラック・バス用とも前年同期より13%伸びた。また、地域別の販売状況は、日本、北米、欧州、中国・アジア・大洋州全ての地域で前年同期を上回った。

通期業績見通しについては、8月に発表した内容から変更はなく、売上収益が3兆3200億円(前期比18.3%増)、調整後営業利益が3600億円(同84.7%増)、当期純利益が3250億円(前期は233億円の赤字)を見込む。

「第4四半期は、原材料のみならず海上運賃やエネルギーなどのコスト高騰影響を強く受けることを想定しており、また、北米では労務費上昇により収益性が圧迫される見通しです。引き続き売値・ミックスの改善や経費・コスト構造改革に注力することで、そのマイナス影響を最小化し、通期業績予想数値の達成を目指していく」と吉松CFOは話していた。