静岡県熱海市の土石流災害現場(2021年7月4日)《Photo by Yuichi Yamazaki/Getty Images) News/ゲッティイメージズ》

三井住友海上火災保険は8月19日、地域防災の強化を支援するため、消防団員の災害救助活動中におけるマイカーなどの自動車事故を補償する「消防団員の災害救助活動従事中・自動車保険」を10月から販売すると発表した。

新商品は.消防団員が災害救助活動のためにマイカーを使用している間に起きた自動車事故を補償するもの。商品によって災害救助活動中に発生したマイカーによる自動車事故で、消防団員が加入する自動車保険を使用する必要がなくなる。契約者は消防団を設置する市町村となる。

消防団員は、非常勤の特別職公務員で住民の安心と安全を守るという重要な役割を担っている。災害時に出動要請を受ける状況はさまざまで、移動手段として団員がマイカーを使用するケースも多い。東日本各地に記録的な大雨となった2019年10月の台風19号では、河川氾濫で甚大な被害が発生、出動に際して使用した消防団員のマイカーが水没する被害が多発した。

一方で、消防団員が出動時に使用するマイカーに対する国の補償は「消防団員等公務災害補償等共済基金」の自動車等損害見舞金支給事業で最大10万円に限られている。このため、消防団員個人が加入する自動車保険を、災害救助活動中の事故で使用しており、翌年以降に保険料が値上がりするなど、消防団員の負担になっている。

三井住友海上は、新商品を通じて消防団員が「安心・安全」に災害救助活動に従事できるよう整備する。

常総市の水害被災現場(2015年9月12日)《Photo by Takashi Aoyama/Getty Images News/ゲッティイメージズ》