#7 トヨタGR010の小林可夢偉がポールポジションを獲得。《Photo by TOYOTA》

第89回ルマン24時間レースの「予選」「ハイパーポール」が現地18〜19日に実施され、ハイパーカー・クラスの「トヨタGR010 HYBRID」が予選総合1-2でグリッド最前列占拠に成功した。ポールポジション獲得者は7号車の小林可夢偉。

フランス伝統の耐久レースが、通常の6月から約2カ月遅れの8月に開催を迎えた。昨年は9月開催だったので、約11カ月ぶりのルマン実戦、ということになる。世界耐久選手権(WEC)の2021年シーズン第4戦でもある第89回ルマン24時間レース、その決勝ローリングスタートのグリッド位置を巡る争いは、18日に全車対象の「予選」、19日に各クラス予選上位の原則6台が参加しての「ハイパーポール」という2セッション形式で展開された。

今季からWEC/ルマンの最上位クラスが「ハイパーカー・クラス」へと変わったため、2年目の実施となるハイパーポールとの“ハイパーかぶり”が少しややこしいが、今回のハイパーカー・クラスのポールポジション、必然的に総合のポールポジションとなるそれは、ハイパーカー時代における最初のルマンでのポールポジションということになる。

その座に就いたのは「トヨタGR010 HYBRID」の7号車(小林可夢偉 / M. コンウェイ / J-M. ロペス)だった。ハイパーポールのアタッカーを務めた可夢偉が3分23秒900というタイムを出し、総合ポールポジション争いを制している。

トヨタ(TOYOTA GAZOO Racing=TGR)にとっては5年連続となるルマンでのポールポジション獲得。それを決めた可夢偉は個人4回目となるルマンでのポールポジション獲得であり、これはジャッキー・イクスの最多記録にあと1と迫るものだという。

#7 トヨタ 小林可夢偉のコメント
「ハイパーカーでの最初のポールポジションを獲得できたことは素晴らしいです。日曜日(15日の公式テストデー)にGR010 HYBRIDでここルマンを初めて走って以来、調整を続けてきたことで、着実な進化を遂げています。チームが最高の仕事で準備をしてくれたことが、このタイムにつながったと思います。もう少しタイムを縮めることもできたと思いますが、トラックリミットに引っかかってしまったのは残念でした」

「1周での最速ラップ(ポールポジション)が獲れれば良いというものではなく、我々は決勝レースでの成功という目標に向けて準備を行なってきました。我々(7号車)はここ数年で何度かのポールポジションを獲得していますが、決勝レースでは勝てていないので、この予選の結果は何かを保証してくれるものではありません。24時間レースは長いですし、いつもあと少しの運が必要なのですから」

トヨタは今回、ルマン4連覇(4年連続総合優勝)を目指しての参戦だが、可夢偉個人はまだルマンで勝っていない。ポール獲得はあくまで一里塚、彼の最大の狙いは決勝で悲願のルマン初制覇を成し遂げることだ。

可夢偉組の僚機8号車(中嶋一貴 / S. ブエミ / B. ハートレー)は、ハイパーポールの前に実施されたフリープラクティスで一貴のドライブ中にクラッシュというアクシデントがあった。ハイパーポールには修復が間に合い、ハートレーが3分24秒195のタイムで予選2位(総合&クラス順位、以下同)となっている。

ハイパーカー・クラスの出走は全5台で、予選3位は旧LMP1マシンの#36 アルピーヌA480-ギブソン(A. ネグラオ / N. ラピエール / M. バキシビエール)、予選4〜5位に2台の「グリッケンハウス 007 LMH」がつけた。グリッケンハウス勢の順位は、4位に#708(L-F. デラーニ / F. マイルー / O. プラ)、5位が#709(R. デュマ / R. ブリスコー / R. ウエストブルック)。

第89回ルマン24時間レースの決勝は、21〜22日に実施される。スタート予定時刻は日本時間21日午後11時だ。

(*本稿の順位等は日本時間20日午後2時の時点での結果、情報に基づくもの)

#7 トヨタGR010の小林可夢偉がポールポジションを獲得。《Photo by TOYOTA》 #7 トヨタ(ポールポジション)《Photo by TOYOTA》 #8 トヨタ(予選2位)《Photo by TOYOTA》 #36 アルピーヌ(予選3位)《Photo by FIA-WEC》 #708 グリッケンハウス(予選4位)《Photo by FIA-WEC》 2021年のルマンは8月開催、決勝は21〜22日に実施される。《Photo by FIA-WEC》 2021年のルマンは8月開催、決勝は21〜22日に実施される。《Photo by TOYOTA》