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警察庁が7月28日発表した2021年上半期(1〜6月)の交通死亡事故死者数は前年同期から159人減って1198人となった。上半期としては統計開始以来、過去最も少ない水準となった。先進的な車両安全装備の普及やコロナ禍に伴う外出自粛などの効果と見られる。

交通事故死者数に占める65歳以上の高齢者は前年同期から94人減って684人だった。高齢者割合は57.1%で、前年同期から0.2ポイント下がった。

交通事故死者数の状態別では全体的に減少傾向にあり、自動車乗車中が409人で最多、次いで歩行中の401人が多かった。

歩行中死者数の事故類型別では横断中が約7割を占めている。横断歩道以外横断中の歩行中死者の約7割に横断方法に違反があり、横断歩道横断中では車両側に横断歩行者妨害の違反が多い。

自転車乗用中死者数は172人で前年同期と比べて34人減った。死者の8割弱には法令違反がある。75歳以上の高齢運転者による死亡事故件数、飲酒死亡事故件数は減少傾向にある。児童(小学生)の死者数は7人で、前年同期比で同数だった。重傷者数は328人で、前年同期比で57人増えた。

都道府県別の交通事故死者数でワースト1位は大阪府で71人、2位が埼玉県の61人だった。

交通死亡事故件数は前年同期比12.2%減の1171件だった。このうち、人対車両事故は同12.1%減の384件、車両相互事故が同1.1%増の460件、車両単独事故が同23.6%減の314件、列車事故が同38.1%減の13件だった。

また、2021年上期の交通事故件数は同2.2%増の2万4369件と増えた。前年が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の影響で外出自粛する動きが拡がり、交通量が減少した反動で、増加した。

1-6月の交通事故死者数の推移《画像提供 警察庁》