日光MaaS(事業イメージ)《写真提供 オリックス自動車》

国内初の環境配慮型・観光MaaS(仮称:日光MaaS)が、環境省「自動車 CASE 活用による脱炭素型地域交通モデル構築支援事業」として採択された。

東武鉄道、JTB、栃木県、JTBコミュニケーションデザイン、オリックス自動車、トヨタレンタリース栃木の6事業者はコンソーシアムを組成し、栃木県・日光地域にて国内初の環境配慮型・観光MaaS(仮称:日光 MaaS)の 2021年度内開始に向けた検討を進めているが、今回、環境省の「地域の脱炭素交通モデル構築支援事業(自動車 CASE 活用による脱炭素型地域交通モデル構築支援事業)」として採択された。

同支援事業は、2050年カーボンニュートラル・脱炭素社会を実現するため、温室効果ガスの排出を実質ゼロとする先導的モデルの構築を目指すもの。自動車CASE等を活用した地域の脱炭素交通モデルの構築等を通じて、新たなビジネスモデルや技術等のイノベーションを適宜取り入れながら、新しい時代をリードする民間企業等の先進的な取り組みを支援する。

日光地域は、日光国立公園などの豊富な環境資源を有し、年間1100万人が訪れる一大観光地だが、約7割がマイカーを利用し訪れている。このような中、栃木県では日光地域をモデル地域として、二次交通の利便性向上やEVの導入促進による環境負荷低減などの「環境にやさしい観光地づくり」を推進している。

日光MaaSでは、鉄道・バスをセットにしたお得なデジタルきっぷのほか、EV・PHVカーシェアリングやシェアサイクル、EVバス等の環境にやさしいモビリティと、歴史・文化施設等の拝観・入場チケット、ネイチャーアクティビティ等の観光コンテンツを、ワンストップで利用できる仕組みを構築。スマートフォンから簡単に、検索・予約・決済が可能となっている。また、EV・PHVカーシェアリングの展開とともにEV充電器を地域内に増設することで、環境に優しいEVで安心して周遊観光を楽しめる環境を整備している。

6事業者は今回の採択を受け、脱炭素社会への移行と周遊観光の振興による地域活性化を同時に推進する日光MaaSを着実に推進し、「環境にやさしい観光地」としての日光地域のブランドを強化していくとともに、観光地における脱炭素の取り組みのロールモデルとなることを目指していく。