「グリーン成長戦略」の自動車・蓄電池分野に関する工程表《資料提供 経済産業省》

経済産業省は6月18日、関係省庁と連携し「グリーン成長戦略」の具体化を発表した。

グリーン成長戦略は、政策を総動員することで、持続的な成長とイノベーションの実現を図って2050年カーボンニュートラル社会の実現可能性を高める。企業の研究開発方針や経営方針の転換といった動きが始まっており、この流れを加速するため、グリーン成長戦略を具体化した。

イノベーションのスパイラルを起こすために、政策手段や各分野の目標実現の内容の具体化と、脱炭素効果以外の国民生活のメリット提示の2つの観点に軸足を置いて策定した。

このうち、自動車・蓄電池産業については2035年までに乗用車新車販売で電動車100%を実現できるよう包括的な措置を実施する。

商用車は、8t以下の小型車について2030年までに新車販売で電動車20〜30%、2040年までに、新車販売で、電動車と合成燃料の脱炭素燃料の利用に適した車両を合わせて100%を目指し、車両導入やインフラ整備の促進などの包括的措置を実施する。

8t超の大型車は、貨物・旅客事業の商用用途に適する電動車の開発・利用促進に向けた技術の実証を進め、2020年代に5000台先行導入を目指す。同時に、水素や合成燃料の価格低減に向けた技術開発・普及の取り組みの進捗も踏まえ、2030年までに、2040年の電動車の普及目標を設定する。

二輪車は、蓄電池規格の国際標準化やインフラ整備など、国内外の取り組みを通じて電動化を推進する。

今後10年間は電気自動車の導入を強力に進め、電池をはじめ、世界をリードする産業サプライチェーンとモビリティ社会を構築する。とくに軽自動車や商用車の、電気自動車や燃料電池自動車への転換について、特別な対策を講じていく。

部品サプライヤーや地域経済を支える自動車販売店や整備事業者、サービスステーション(SS)などの加速度的な電動化対応を後押しするため、「攻めの業態転換・事業再構築」を支援する。

電動車のインフラ整備では、導入支援や買換え促進、高速道路利用時のインセンティブ付与、国立公園などの駐車料金の減免の検討、公共用の急速充電器3万基を含む充電インフラを15万基設置を遅くとも2030年までに整備する。2030年までに1000基程度の水素ステーションを最適配置で整備する。燃料電池自動車における道路運送車両法と高圧ガス保安法の関連規制を一元化する。

蓄電池では国内の車載用蓄電池の製造能力を100GWhまで高めるとともに、電気自動車とガソリン車の経済性が同等となる車載用の電池パック価格1万円/kWh以下にする。