トラックデータ連携の仕組み確立の概要《画像提供 経済産業省》

経済産業省は6月8日、物流MaaS(モビリティアズアサービス)推進に向けて先進的な取り組みの事業を実施すると発表した。

経済産業省では、2020年度から物流MaaSの推進に向けた実証事業を実施してきた。2021年度は「物流MaaS勉強会 とりまとめ」で示された3つの取組の方向性を踏まえ、「トラックデータ連携の仕組み確立」の取り組みを継続する。同時に「見える化・混載・自動化等による輸配送効率化」と「電動商用車活用・エネルギーマネジメントの導入ユースケース等に係る検証」について先進的な取り組みを行う事業を実施する予定で、参加する事業者を募集する。

トラックデータ連携の仕組み確立では、協調領域として安全性向上や人手不足対応など、物流業界全体での共益的なユースケースに照らして連携可能なデータを特定、危険運転挙動を横断的にプロットするハザードマップ生成に向けた調査を実施する。

見える化・混載による輸配送効率化では、トラックの荷台内へのセンサー設置により、リアルタイムでトラック内の積載状況を立体的に把握可能であることを確認する。専用端末を通じて特殊貨物に係る工場の出荷から顧客までの位置情報を把握し、積載効率の向上が図れることを確認する。

電動商用車活用・エネルギーマネジメントに係る検証では、軽貨物EVを独自開発し、ガソリン車との性能比較や車両価格・充電器設置費用を踏まえたライフタイム経済性を分析する。EV普及と充電インフラ整備を一体的に進めるモデルエリアを構築し、共同利用型の急速充電オペレーションモデルを検証する。EVバスに適した運行オペレーションへの転換を可能とするエネマネシステムの構築における課題の解決策を整理する。

トラックデータ連携の仕組み確立は2020年度「無人自動運転等の先進MaaS実装加速化推進事業」で継続して取り組む。「見える化・混載・自動化等による輸配送効率化」と「電動商用車活用・エネルギーマネジメントの導入ユースケース等に係る検証」に先進的な取り組みを行う事業者を募集する。

選定された事業者には実証実験などの取り組みで新たにかかる経費を支給する。事業委託費は1件当たり最大3000万円程度で、1〜2件を想定している。

見える化・混載・自動化等による輸配送効率化の概要《画像提供 経済産業省》 電動商用車活用・エネルギーマネジメントの導入ユースケース等に係る検証《画像提供 経済産業省》