サブアクスル・リヤ用小型軽量等速ジョイント《写真提供 NTN》

NTNは、世界最高水準の小型・軽量化を実現した4WD車に最適なリヤ用等速ジョイントを開発。5月26日に開幕した「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」に出展している。

等速ジョイント(CVJ)は、エンジンまたはモータの動力の大きさ(負荷容量)やタイヤの転舵のための作動角によってサイズを使い分けている。リヤ用CVJは転舵による大きな作動角は不要。NTNは2015年、リヤ用CVJに必要な作動角に合わせた専用設計により小型・軽量化を実現した「リヤ用軽量ドライブシャフト」を開発、後輪駆動車や後輪駆動車ベースの4WD車向けに展開してきた。

今回開発した「サブアクスル・リヤ用小型軽量等速ジョイント」はこのリヤ用軽量ドライブシャフトのコンセプトを応用し、前輪駆動車ベースの4WD車のリヤ向けに改良。従駆動輪となるリヤに求められる負荷容量はより小さくなるため、従来品から大幅に小型・軽量化を図った。タイヤ側に配置される固定式CVJとデファレンシャル側に配置されるしゅう動式CVJのそれぞれについて、最大作動角の見直しや部品の最適設計などにより部品を薄肉・小径化。必要な強度を維持しながら小型・軽量化を実現している。

自動車市場では、環境負荷低減を背景に低燃費化が加速する一方で、北米を中心にグローバルでSUVの人気が高まっているほか、モータをフロント側とリヤ側の両方に取り付けた電動4WD車が次々と発売されており、今後もさらなる前輪駆動ベースの4WD車の増加が見込まれる。NTNは大幅な小型・軽量化を実現した本開発品を市場に提案し、車両の軽量化・低燃費化に貢献していく。

固定式CVJ(左)としゅう動式CVJ《図版提供 NTN》 適用箇所《図版提供 NTN》