「スマートVPN」を活用した建設機械の遠隔操縦実証の構成図《画像提供 ソフトバンク》

ソフトバンクとカナモトは5月12日、通信ネットワークの優先制御機能と閉域網サービス「スマートVPN」を活用して、建設機械の遠隔操縦の実証実験を実施したと発表した。

実証実験では、優先制御機能を付与した通信ネットワークと「スマートVPN」で構築した閉域網を活用して、カナモトが開発した遠隔制御装置「カナロボ」と4台のカメラを搭載した建設機械(バックホー)を、操作室から遠隔操縦した。

通信ネットワーク環境で遠隔操縦する場合、映像の遅延と操作信号の揺らぎなどで操作に違和感が生じることがある。今回、無線区間を優先制御機能で安定させて、伝送区間を閉域網にすることで映像の遅延を短縮できた。また、閉域網内でバックホーと操作室を直接通信することで操作信号の揺らぎを軽減、操縦者が遠隔でも違和感なく建設機械を操縦できることを確認した。

両社は今後、天候やネットワークの負荷状態などを考慮した試験を実施し、2022年以降の商用サービス提供を目指す。建設機械の遠隔操縦のほか、AI(人工知能)解析ソリューションなどを組み合わせたパッケージでのサービス提供も視野に入れ、さまざまな実証実験を実施していく。

実証実験の様子《画像提供 ソフトバンク》