スズキ ハスラー《写真提供 スズキ》

ヘンケルジャパンは、5月26日から7月30日に開催される「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン展示会」に出展。新型ハスラーのルーフ制振材に採用された高減衰フォームなどを紹介する。

ヘンケルはオンラインブースにて、高減衰フォーム、高剛性充填材、構造用接着剤等を中心とした車体向け製品のほか、EVバッテリー、パワートレーン部品・電子電装品用の異種材接着剤やTIM(サーマルインターフェースマテリアル)など熱対策材料も紹介する。

車体向け製品では、新型『ハスラー』のルーフ制振材に採用された「テロソン ハイダンピングフォーム(HDF)」を紹介する。HDFは車体構造体の伝搬振動を効果的に減衰させることで車室内のノイズ低減を実現する新素材。実際の塗布箇所のほか、工程、特長などの詳細を見ることができる。

こもり音、雨音、ロードノイズなどのノイズは、ルーフなどの構造体を振動させながら車室内に伝搬される。制振材は振動する構造体と静止している構造体の間に挟むことで、素材内部のせん断応力を熱エネルギーに変換して振動を抑制。HDFはこの熱エネルギーへの変換が効率的であるため、一般的な制振材と比較して優れた振動減衰性能を発揮する。

HDFは新型ハスラーの量産ラインにて、ルーフの制振材として採用された。HDFは車体溶接工程にてルーフ用ビームに自動塗布機で塗布され、車体塗装工程内の電着乾燥時の熱にて硬化、発泡を伴い接着。ルーフとビームの間で発泡接着したHDFの制振効果により車室内で発生するこもり音や雨音、ロードノイズ等を効果的に低減する。通常、ルーフとルーフ内部のビームは、振動抑制効果があるマスチック接着剤とアスファルトゴムなどの制振パッド等を併用して接着されている。HDFは従来のそれら2つの材料を併用した場合と同等以上の優れた制振性能を1つの材料で発揮する。

ヘンケルはこのほか、電子部品向けとして、液状ガスケット(シール剤)や機能性ポッティング、熱対策材料、構造用接着剤などを展示。また、オンラインワークショップ「自動車用パワーエレクトロニクス向けソリューション」も開催し、数々のパワーエレクトロニクス向け採用実績品の中から特に熱対策材料と液状ガスケットについて紹介する。

電子部品向け製品《写真提供 ヘンケルジャパン》 オンラインワークショップ「自動車用パワーエレクトロニクス向けソリューション」《写真提供 ヘンケルジャパン》