公道での走行シーン《写真提供 長谷川工業》

はしご・脚立のメーカー、長谷川工業(本社:大阪市)は4月28日から、経済産業省の新事業特例制度に基づき、千葉市と連携して電動キックスクーターのシェアリングサービス実証実験を公道で行なっている。利用者のヘルメットの着用は任意となる。

対象エリアは千葉市中央区および美浜区の一部で、エリア内にシェアリングステーションを6カ所設置し、計50台の電動キックスクーターが走行予定だ。まずJR海浜幕張駅や千葉市稲毛海浜公園にステーションを設置し、順次ステーション数を増やす。実施期間は4月28日から10月末までを予定。

「新事業特例制度」の認定を受けた長谷川工業が取り扱う電動キックスクーターを「小型特殊自動車」とみなす。現行法では電動キックスクーターは原動機付自転車となり、ライダーはヘルメットを着用しなければならない。小型特殊自動車ではそれが任意となる。また、普通自転車専用通行帯(自転車レーン)の走行も可能だ。いっぽう最高速度は15km/hに制限される。原付1種は30km/h、2種は60km/hだ。

利用対象者は18歳以上の小型特殊自動車免許保持者。利用方法は、LINEアプリから公式アカウントを友だち追加して、注意事項の確認とテストを受け、利用者情報(運転免許証など)を登録する。その後、電動キックスクーターに付いている二次元コードを読み取り、ロック解除して利用を開始する。利用料金(税込)はトライアル料金として初乗り10分100円、以降は1分につき15円だ。各種クレジットカードでの支払いとなる。

走行時は、運転免許証の携帯など道路交通法を遵守する必要があるが、ヘルメットの着用は任意となる。交差点での右折は、電動キックスクーターから降りて手押しで交差点を渡り、方向転換する。また、交通量の多い道路など、危ないと感じた場合は電動キックスクーターから降りて歩道に退避するよう運営側では呼びかけている。

実証実験では、電動キックスクーターは道路交通法上の「小型特殊自動車」に該当する。小型特殊自動車とは、全長4.7m以下、全幅1.7m以下、全高2.0〜2.8m以下、最高速度15km/h以下の車。農作業や構内作業車を想定しており、普通自動車免許や普通二輪免許で運転できる。

今回は、長谷川工業が新事業特例制度の認定に基づき提供する電動キックスクーターに限り、小型特殊自動車とみなされる。個人所有のものや新事業特例措置の適用を受けていない事業者から提供される電動キックスクーターについては、運転に当たってヘルメットの着用が義務となり、自転車レーンの走行は禁止される。

稲毛海浜公園のステーション《写真提供 長谷川工業》 実施エリア《画像提供 長谷川工業》