ベントレー・マリナー・バカラル 向けの最初のW12エンジン《photo by Bentley》

ベントレーは2月17日、世界限定12台を生産予定の『マリナー・バカラル』(Bentley Mulliner Bacalar)に関して、最初のW12エンジンが完成し、そのテストも完了した、と発表した。なお、世界限定12台は予約で完売している。

マリナー・バカラルは、ベントレーのコーチビルド部門の「マリナー」が、精巧にハンドビルドを行い、未来のコーチビルディングのあり方を示す1台となる。ベントレーによると、グランドツーリングの醍醐味を、余すところなく表現しているという。

また、環境に配慮した方法で採取されたサスティナブルな素材と、美しく力感あふれるデザインを融合させることを狙う。ベントレー創立100周年に発表されたコンセプトカー、『EXP 100 GT』にインスパイアされた優美なデザインを採用する。

◆およそ90年ぶりの2シーターベントレー

マリナー・バカラルは、2シーターのオープンカーが魅せる究極のラグジュアリーを具現化した、最高峰のグランドツアラーを目指して開発されたという。2シーターのベントレーは1930年代以来、およそ90年ぶり。長い歴史を持つ名門コーチビルダーのマリナーが、コーチビルディングの原点に立ち返って製作したのが、マリナー・バカラルだ。

マリナー・バカラルは、12台が限定生産される。英国クルーのマリナーのワークショップにおいて、顧客の要望に応じて、一台一台が手作業で組み立てられる予定だ。

マリナー・バカラルは、素材とテクノロジーを融合させて、クラフトマンシップを追求する。そのデザインDNAは、コンセプトカーのEXP 100 GTから受け継がれた。 テーパー形状のリアカウルは、かつての「バルケッタ」(小舟)スポーツカーを彷彿とさせる。深みのあるメタリック仕上げのボディカラーは、もみ殻の灰という環境に配慮した素材を使用したものだ。

◆12台のための専用ボディパネル

マリナー・バカラルは、他のベントレー車とボディパネルを共有していない。リアのクラムシェルとトップデッキには、軽量アルミが使用され、ドアとフェンダーにはカーボンファイバーが使われている。デザイナーは3Dプリンターを使用し、独創的なデザインを作り上げたという。

マリナー・バカラルは、ベースとなった『コンチネンタルGT』よりも、リアトレッドが20mm幅広い。リアハンチには、ビスポークの22インチトライフィニッシュホイールが収まる。横長のヘッドライトとテールライトは、EXP 100 GTがモチーフだ。コンチネンタルGTとは、ドアハンドルのみを共用している。

◆ウッドパネルが回転しタッチスクリーンが出現

センターコンソールの中央には、「ローテーションディスプレイ」を配置した。このデジタルMMIディスプレイには、40の可動部品が使用されている。エンジンを始動すると、リバーウッドのパネルが回転し、高解像度のタッチスクリーンが現れる。

インテリアは、究極のクラフトマンシップを表現した。ラップアラウンドデザインのコクピットによって、2シーターのキャラクターを強調する。ラップアラウンドデザインのコックピットは、角度をつけた新設計のセンターコンソールからダッシュボード、ドアへとシームレスなラインを描く。包み込むようなラインはそのままリアへと向かう。座席後方には、半密閉式のラゲッジスペースが設けられる。

レザーは、伝統のセミグロスレザーと天然ウールに丁寧に縫い合わせられ、「トーン・オン・トーン」と呼ばれる配色効果でダークな雰囲気を生み出す。英国産ウールやイングランドのイーストアングリア地方フェンランドで発見された5000年以上前の倒木の「リバーウッド」も使用されている。

ブルズアイベントのために新たなローレット加工が開発され、ステアリングホイールコントロール、メディアコントロール、クライメートコントロール、スピーカーグリルにも同様の加工が施された。ダークブロンズとミッドナイトブラックチタンのディテールを組み合わせている。

◆最大出力659psのW12ツインターボ搭載

パワートレインには、6.0リットルW12気筒ガソリンツインターボ「TSI」エンジンを、強化して搭載する。最大出力は659ps、最大トルクは91.8kgmを引き出す。アクティブAWDシステムは、走行状況に応じて、前後輪へのトルク配分を変更する。通常の走行時には多くの場合、後輪駆動モードになる。

トランスミッションは、8速デュアルクラッチだ。これまで以上に、高速かつ効率的なギアチェンジを可能にしているという。アダプティブシャシーには、48Vシステムの「ダイナミックライド」を採用した。このエアサスペンションシステムによって、快適性と横方向のロールをコントロールする。

◆W12エンジンは6時間以上をかけて手作業で組み立て

ベントレーは、このマリナー・バカラルの最初のW12エンジンが完成し、そのテストも完了したと発表した。2003年にツインターボチャージャー化されたW12が最初に導入されて以来、W12エンジンは改良により、出力が最大27%、トルクが最大38%増加した一方、排出ガス中の有害物質は38%減少しているという。

これは、クランクケースの改良と最適化、オイルと冷却システムの改善、ツインスクロールターボチャージャーテクノロジーの導入、より効果的な噴射および燃焼プロセスによって、実現されたという。

各W12エンジンは、45人の職人のチームによって6時間以上をかけて手作業で組み立てた後、3台の診断機を用いて、1時間以上のテストを行う。テストでは、各エンジンの品質に関するフィードバックをもたらすだけでなく、製造時からの各エンジンの正確な動作を確保するための複数のチェックポイントも設けている。

また、各W12エンジンは、30.6kgmのトルクを3800rpmで引き出す状態で、およそ20分間回転させる。このようにして、各エンジンは車両に搭載される前に、3種類のテストを受ける。ベントレーは、W12エンジンはベントレー史上、最も先進的な12気筒エンジン、としている。

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