トヨタ自動車の欧州部門は12月2日、『プロエースシティ』(Toyota Proace City)のEV、『プロエースシティ・エレクトリック』を2021年秋、欧州市場で発売すると発表した。2021年3月、欧州市場で発売される『プロエース・バーソ・エレクトリック』に続くEVミニバンとなる。
プロエースシティは、トヨタとPSAグループの提携の成果となるOEMモデルだ。トヨタとPSAグループは2012年から、欧州市場の小型商用車の分野において、協力してきた。PSAグループは、プジョー『エキスパート』とシトロエン『ジャンピー』をベースにした小型商用車の『プロエース』をフランスで生産し、トヨタにOEM供給している。
2018年秋、トヨタとPSAグループは、欧州小型商用車での提携関係を拡大すると発表した。2019年末から、PSAグループがトヨタに、PSAグループのスペイン工場で生産した小型バンもOEM供給する内容だ。このモデルが、プロエースシティ。トヨタはプロエースシティを、トヨタの欧州小型商用車市場における存在感をさらに強化するモデルに位置づけている。
◆プジョーやシトロエンの商用車と兄弟車の関係
プロエースシティは、PSAグループの小型商用車、プジョー『パートナー』、シトロエン『ベルランゴ』、オペル『コンボ』と車台やエンジン、ボディの一部を共用する。パートナー、ベルランゴ、コンボの最新モデルは、2018年夏に発表されている。
プロエースシティのフロントマスクには、トヨタ車らしい表情が採用された。またプロエース シティは、PSAグループの「EMP2」車台をベースに開発。5名乗りのショートボディ(全長4400mm)と、7名の乗りのロングボディ(全長4700mm)の2種類が設定される。パワートレインは、ガソリンとディーゼルで、最大出力は75hpから130hpと幅広い。トランスミッションには、5速と6速のMTに加えて、8速ATが用意された。
◆欧州の標準規格の「ユーロパレット」が2個積載可能
プロエースシティの最大積載量は、3.3立方m(ショートボディ)から、4.3立方m(ロングボディ)まで。荷室は、欧州の標準的な積荷規格の「ユーロパレット」が2個積載できる大きさだ。
マルチメディアシステムとして、8インチのタッチスクリーンを採用する。最新世代の3Dコネクトナビゲーションシステムや、ドライバーが運転中、視線を逸らさずにナビゲーション、電話、メディア機能を制御する音声認識機能を備える。このシステムには、リアルタイム交通情報、サービスステーションおよび駐車場情報、ガソリン価格情報、気象情報などが分かるコネクトサービスが利用できる。
スマートフォン用のワイヤレス充電システムも用意した。センターコンソールの専用ストレージスペースに内蔵された充電マットを使用して、Qi規格に適合したスマートフォンやタブレット端末をワイヤレスで充電できる。
◆EV版のモーターは最大出力136hp
トヨタは、このプロエースシティのEV、プロエースシティ・エレクトリックを2021年秋、欧州市場で発売する。ラインナップは、エンジン搭載車と同様、ショートボディ(全長4400mm)と、ロングボディ(全長4700mm)の2種類が設定される。また、乗用ミニバン仕様の『プロエースシティ・バーソ・エレクトリック』もラインナップされる予定だ。
EVパワートレインのモーターは、最大出力136hpを発生する。バッテリーはリチウムイオンで、蓄電容量は50kWhとなる。出力7.4kWの単相オンボード充電器が標準装備されており、オプションで出力11kWの三相急速チャージャーが用意されている。
トヨタが欧州でEVミニバン拡大、シトロエン ベルランゴ 兄弟車にも設定…2021年秋発売へ
2020年12月07日(月) 19時45分
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