プジョー・ランドトレック《photo by Peugeot》

プジョーは11月25日、新型ピックアップトラックの『ランドトレック』(Peugeot Landtrek)を、南米市場に投入すると発表した。

◆欧州以外でのプジョーブランドの成長を狙う戦略モデル

ランドトレックは、プジョーブランドが1トンピックアップセグメントに参入するために開発した新型車だ。このセグメントは人気が高く、全世界で年間250万台以上が販売されている。

ランドトレックは、ピックアップトラックの最大市場の北米ではなく、南米を主なターゲットとして開発された。1トンのピックアップトラックとしたのは、このセグメントが南米の小型商用車市場のほぼ半分を占めているためだ。このセグメントは2019年、全世界で250万台の市場規模があり、そのうちおよそ41万台が南米で販売された。

世界で販売されている商用車の2台に1台がピックアップトラック。プジョーは、ランドトレックによって、ヨーロッパ以外でのブランドの販売台数と市場シェアの増加を図っていく。新型ピックアップトラックのランドトレックは、ヨーロッパ以外の新市場と新しい顧客を獲得するためのプジョーの新たな武器になるという。

◆1979年に発表した504ピックアップ以来のピックアップトラック

プジョーはもともと、ピックアップトラックセグメントに長年、参入し続けてきた。1938年には、プジョー『202』から派生したフラットベッド商用車を投入した。第二次世界大戦後には、プジョー『203』を発売した。続いて、 プジョー『403』と『404』に商用トラックバージョンが用意された。

1979年、プジョーは『504』にピックアップトラックの「504ピックアップ」を設定した。504ピックアップは、アルゼンチンで37万5000台以上が生産され、全世界で販売された。しかし、504ピックアップの後継車は開発されず、プジョーは1980年代に、ピックアップトラックセグメントから撤退した。

◆全長5m超えのシングルキャブとダブルキャブを用意

ピックアップトラック市場に復帰するために開発されたランドトレックには、信頼性、メンテナンスのしやすさ、汎用性、オフロード機能、牽引性能、積載性能など、セグメントのすべての重要な要素を盛り込んでいる。卓越したスタイリング、強化されたモジュール性、大型のボディサイズにより、充分な積載性やSUVのような快適性を追求し、要求の厳しい顧客の期待に応える。

ランドトレックには、シングルキャブとダブルキャブが用意される。ダブルキャブバージョンは全長が5330mm、シングルキャブバージョンは全長が5390mm。全幅はどちらも1920mmとした。

ランドトレックには、プジョーの最新デザイン言語が導入された。フロントには大型のグリルを装着する。ヘッドライトには、最新のLEDテクノロジーが組み込まれた。最低地上高は214〜235mmとした。。

ランドトレックには、ガソリンまたはディーゼルエンジンが搭載される。ガソリンエンジンは排気量が2.4リットルのターボで、最大出力は210hp、最大トルクは32.6kgm。トランスミッションは6速MTまたは6速ATを組み合わせる。

ディーゼルエンジンは排気量が1.9リットルのターボで、最大出力は150hp、最大トルクは35.7kgm。トランスミッションは6速MTを組み合わせる。燃費性能は12.8km/リットルとした。

駆動方式には、後輪駆動と4WDを用意した。4WDは2H、4H、4Lの3種類のモードが切り替えられる。最大牽引性能は3.5トンとしている。

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