UBMCサービスのシステム概要図《画像提供 パナソニック》

パナソニックは11月25日、独自AI技術を活用して電動モビリティに搭載されるバッテリーの状態をリアルタイムに把握できるクラウド型バッテリーマネジメントサービス「UBMCサービス」の提供を開始すると発表した。

新しい移動手段として普及が見込まれる電動モビリティは、搭載されているバッテリーの残量表示が正確ではないケースがあり、予期しない電欠が発生するリスクがある。バッテリーの経時変化が把握できずに、バッテリーの交換時期などを見過ごす可能性もある。

同社は、これまでバッテリー開発で蓄積してきたデータやノウハウを生かし、AIやクラウドを利用して、バッテリーの稼働状態をリアルタイム、定量的に把握し、バッテリーの状態を見守り可視化するサービスを開発した。

サービスでは、クラウドに収集したバッテリーログを学習データとして活用する状態推定技術を開発した。これにより様々なバッテリーに対して、高精度な電池残量推定モデルを構築できた。電動モビリティ利用時はスマホアプリを通して正確なバッテリー残量をその場で把握でき、予期しない電欠を防止できる。

運用するバッテリーのデータをクラウド上で管理し、サービスで提供するAPIを利用することで、遠隔から電動モビリティ全てのバッテリーの状態をリアルタイムに把握可能となる。

また、正確なバッテリー状態推定をベースとして地図情報を活用することで、現在位置から現状の電池残量で到着できる範囲を、地図上に表示することや、利用者が設定した目的地や経由地に応じて最適な充電・電池交換ステーションを盛り込んだルートを提案するなど、継続的な機能アップデートが可能としている。

電動バイクメーカー、グラフィットが26日に発表した新モデル『GFR-02』と『LOM』にサービスを先行導入した。両モデルのバッテリーパックにはUBMCサービスに適合するバッテリーマネジメントシステムを搭載している。これによって利用者はスマホアプリを通じて、電池残量を1%刻みの高精度な表示を把握できる。まず、2000台規模の搭載バッテリーパックを対象にサービスを運用する予定。

サービス適用後の電池表示のイメージ(スマホアプリ画面)《画像提供 パナソニック》 グラフィットGFR-02《写真提供 グラフィット》