ふそうブランド初の輸出仕様バス『BA』《写真提供 三菱ふそうトラック・バス》

三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は、インド・オラガダム工場(チェンナイ)で、ふそうブランド初の輸出仕様バス『BA』の生産を本格的に開始したことを発表した。

BAは定員30名以上の大型バスに対するUAE市場の需要に応えるため、ダイムラーグループ傘下のMFTBC、ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ社(DICV)、エボバス社の3社が共同開発。2019年12月より試験販売を開始し、今夏より本格的に発売を始めた。UAE市場向けにすでに100台を製造しており、生産台数は2023年末までに累計800台を超える見通しだ。

UAEでは急速に発展するインフラ建設や製造業を背景に、従業員送迎バスを運行する法人の需要が急増。DICVのインド国内向け商用車ブランド「バラート・ベンツ」の既存大型バスを設計に活用したことで、迅速な対応が可能になった。BAは、欧州排出ガス規制「ユーロ5」に準拠する3.9リットル4気筒エンジン「4D37」を搭載。また全座席に難燃材料と3点式シートベルトを採用するなど、安全性を確保している。さらにルーフハッチにより緊急時の換気や避難が可能となり、より安全な通勤・通学を実現。夏の酷暑に対応し、大容量のエアコンも標準搭載する。

UAEはMFTBCにとって中東・北アフリカ地域における最大市場であり、従来からふそうブランドの強力な足場となっている。本車両に加え、現在MFTBC川崎工場から小型トラック『キャンター』や中型トラック『ファイター』、三菱ふそうバス製造の富山工場から小型バス『ローザ』を、そしてDICVのオラガダム工場から中型トラック『FA』や『FI』、さらには大型トラック『FJ』や『FZ』を輸出。2019年のふそうの同市場でのシェアは53%を超えている。

ふそうブランド初の輸出仕様バス『BA』《写真提供 三菱ふそうトラック・バス》