テラトラックのアイコンと実際の画面《画像提供 テラドローン》

テラモーターズは7月7日、「電動バイク×フィンテック×IoT」事業の第1弾として、車両一元管理アプリ「テラトラック」をリリースした。

テラトラックは、電動バイクに搭載されたIoTデバイスと連動する車両一元管理アプリ。IoTデバイスにはSIMカードとGPSが搭載されており、アプリ上で電動バイクの走行データ、電池データ、位置情報などの一元管理が可能になるほか、車両バッテリーの電圧・残量・温度などの詳細なデータも蓄積できる。

テラモーターズは、主力製品の電動三輪バイク『Y4A』に7月より同デバイスの搭載を開始する。現状はインドにおける車両のトラッキングのみ可能だが、車両の位置はアプリのダウンロードさえ行えば、全世界からの確認が可能。今後は、より多くの車両に同デバイスを搭載し、より広い地域でのトラッキングに対応できるよう、導入・開発を進めていく。

テラトラックのリリースは、貧困問題の抜本的な解決および自社提供予定のリスク低減が目的だ。また、IoTデバイスに遠隔動力制御機能を持たせることにより、ローン滞納時に遠隔で車両の動力を遮断することが可能。これにより、車両を実質担保化し、これまでローンを組むことができなかった低所得者層に対しても、電動バイクの購入を目的としたローンを提供することが可能となった。

世界の貧困層のうちインドが約4分の1(1億7000万人以上)を占めると言われており、インド政府はBOP(低所得者層)改革を進めている。その一貫として、もともとはサイクルリキシャ(人力三輪)を利用していた運転手が、電動三輪に乗り換えることで、一度に運べる人数の増加、稼働時間の拡大により、運転手の収益増加が見込めることから、電動三輪の普及を推奨。テラモーターズも、IoTを活用したローンの裾野拡大により、官民一体となり、貧困による格差の是正に取り組んでいく。

電動バイクに搭載されたIoTデバイスと連動《図版提供 テラドローン》