ベスパ・プリマベーラ125《写真提供 ピアッジオグループジャパン》

イタリアのピアッジオグループ(Piaggio)は5月25日、中国籍の企業によって登録されたスクーターのデザインが、欧州連合知的財産庁(EUIPO)によって「無効」となったと発表した。同グループはこれら中国スクーターが『ベスパ』(Vespa)に酷似していると訴えていた。

ベスパに似た中国企業のスクーターはEICMA 2019=ミラノモーターサイクルショー2019に出展され、その際にピアッジオの主張によりショー会場から撤収されていた。

EUIPOは、「(問題の中国社スクーター)の意匠が『ベスパ・プリマベーラ』の意匠とは異なる、という印象を一般的に引き出すことはできない」とし、スクーターの美的要素の複製に違法性があると指摘した。

ベスパ・プリマベーラは、2013年にピアッジオグループが登録した意匠、ベスパスクーターの立体商標、さらに、1946年以来スタイルアイコンとなった、ベスパの芸術的価値を守る著作権によって保護されている。

今回の無効手続きは、ピアッジオグループが模倣品に対して長年行なってきた様々な活動の一環だ。同グループは、世界各地の意匠登録や商標のデータベースを監視しており、過去2年間で第三者が登録した50件を超える商標がピアッジオの異議申し立てにより取り消されたという。

中国企業によって展示されたスクーター《写真提供 ピアッジオグループジャパン》 中国企業によって展示されたスクーター《写真提供 ピアッジオグループジャパン》 ベスパ・プリマベーラ125《photo by Piaagio Group》 ベスパ・プリマベーラ125《photo by Piaagio Group》