東京商工リサーチによると、路線バス事業などを展開する丸建自動車(埼玉県上尾市)が5月15日、さいたま地裁に民事再生法の適用を申請し同日、監督命令を受けた。負債総額は約5億円。路線バス事業者のコロナ関連倒産は全国初。路線バスは通常通り運行している。

丸建自動車は、上尾市や北本市など「けんちゃんバス」の愛称で知られる路線バス会社。路線バスのほか、観光バスや福祉タクシーなどを手がけ、近年は売上高約3億円をあげていた。しかし、車両への投資負担などから借入金に依存した資金繰りが続き、2009年10月には社会保険事務所から差押登記が設定されるなど資金繰りがひっ迫していた。

その後、経費削減などを進め、事業を継続していたが、ここにきて新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染拡大により、観光バスや貸切バス、路線バスの需要が急減。私的整理も検討していたが、資金繰りが限界に達し、今回の措置となった。

なお、関係者は「路線バスは今後も止めることなく継続する。スポンサーを広く募り、事業再建を目指していく」とコメントしている。