カルマの次世代電動車向け車台「カルマ Eフレックス」《photo by Karma Automotive》

カルマオートモーティブ(Karma Automotive)は4月23日、現在開発中の次世代EVスーパーカーの性能を発表した。最大出力は1100hpで、0〜96km/h加速1.9秒以下の性能を目指す、としている。

カルマオートモーティブは、プラグインハイブリッド(PHV)の4ドアスポーツカー、『カルマ』を製造・販売していたフィスカーオートモーティブの破産後の資産を買収する形で、2014年に米国カリフォルニア州に設立された。現在、カルマ後継車の『レヴェーロGT』などを生産・販売している。

◆カルマ Eフレックス車台をベースに開発

カルマオートモーティブが現在開発中の次世代EVスーパーカーは、自動運転に対応した次世代電動車向け車台の「カルマ Eフレックス」プラットフォームをベースに開発されている。このプラットフォームは、自動運転のユーティリティバンから、実用車、高性能スーパーカーまで、幅広い車種に対応できる柔軟性を備えているのが特長だ。

カルマオートモーティブによると、カルマ Eフレックスプラットフォームは、さまざまなバッテリーやモーター駆動ドライブシステムをカバーする最大22のバリエーションが展開可能という。カルマ Eフレックスプラットフォームにより、自動車メーカーは開発コストを大幅に抑えて、電動車市場に迅速に参入できるという。

◆1回の充電での航続は最大644km

このカルマ Eフレックスプラットフォームを採用するフラッグシップモデルが、次世代EVスーパーカーになる。フロントアクスルとリアアクスルにそれぞれ2個モーターを搭載し、4輪を駆動する。合計4モーターのシステムは、最大出力1100hp、最大トルク1427kgmを獲得する。これにより、0〜96km/h加速1.9秒以下という優れたパフォーマンスを追求する。

EVパワートレインには、新開発の炭化ケイ素(SiC)高密度インバーターを採用する。また、床下にバッテリーを搭載し、前後重量配分を最適化する。1回の充電で、最大644kmの航続を可能にするという。レーシングカーにインスパイアされた構造、コンポーネント、テクノロジーを融合させることにより、コスト効率が高く、早期に市場投入できるソリューションを開発するのが狙いだ。

◆Eフレックスプラットフォームの最初の開発段階を終了

カルマオートモーティブは、このカルマ Eフレックスプラットフォームの最初の開発段階を終了した。これは、同社の「フレックスプラットフォームプログラム」の一環になるという。フレックスプラットフォームプログラムでは、フルEVとレンジエクステンダーEV向けのモジュール式プラットフォームを通じて、モビリティソリューションを提供していく。

カルマオートモーティブによると、最新のEフレックスプラットフォームはEVスーパーカーに最適という。その目標は、さまざまな駆動モーターシステムとバッテリーパックのバリエーションを備えた多数の電動モビリティソリューションをパートナーに供給すること。高性能なEフレックスプラットフォームは、これらの構成の中で最もプレミアムであり、かつてないパフォーマンスを可能にしているという。

なお、カルマのE-フレックスプラットフォームには、レンジエクステンダーEVプラットフォームと、SAEのレベル4の自動運転テクノロジーを搭載したEVバンが含まれている。またカルマは、初の市販EVとなる『レヴェーロGT E』に、カルマ Eフレックスプラットフォームを採用することも発表している。

カルマの次世代電動車向け車台「カルマ Eフレックス」《photo by Karma Automotive》 カルマの次世代電動車向け車台「カルマ Eフレックス」《photo by Karma Automotive》 カルマの次世代電動車向け車台「カルマ Eフレックス」《photo by Karma Automotive》