2人乗りベビーカーの例《写真AC》

国土交通省は、子ども連れの人が移動しやすい環境を実現するため「子育てにやさしい移動に関する協議会」を書面開催し、乗合バスでの2人乗りベビーカーの利用についてのとりまとめを決定した。3月31日に発表した。

多くの妊婦が双子などの多胎児を出産しているといわれており、出産後も医療設備の整った病院に定期的に通院する必要があるため、複数の乳幼児を連れて公共交通機関を利用する機会が増加している。一方で、乗合バス事業者の中には、2人乗りベビーカーは一般的なベビーカーと比べてサイズが大きく、通路を塞ぐなどの理由で折りたたまないと乗車できない取り扱いをしているケースもある。

ただ、2人乗りベビーカー使用者からは複数の乳幼児を抱えてベビーカーを折りたたむのは困難との声もある。

学識経験者、子育てなどの関連団体、交通事業者で構成する「子育てにやさしい移動に関する協議会」は今回、利便性向上の観点から、標準的な構造の2人乗りベビーカーについて乗合バス車内で一定条件のもとで折りたたまずに使用できるよう取り扱うことを基本とすることを決めた。

バスへの乗降は、利用客の求めに応じ運転者が補助する。横型の2人乗りベビーカーの場合、座席(2席)の跳ね上げを運転者が補助する。既に座席に座っている人がいれば移動を運転者が要請する。ベビーカー使用者にはベビーカーのシートベルト着用、進行方向後ろ向きにベルトで2か所固定、ベビーカーの車輪のロック、走行時は片手でハンドルを支えることを求める。

2人乗りベビーカー(横型)をバス車内で固定するために座席を跳ね上げる場合、現在設置されている固定ベルトでは短いため、固定ベルトを連接して1か所を固定、さらに車いすスペースに設置されている車いす用の補助ベルトなどを使用して、もう1か所を固定する。

今後、バス車内でのベビーカーの固定方法について、バス事業者がホームページなどで分かりやすく案内する。国はベビーカーキャンペーンを実施し、周囲にベビーカー利用への理解・配慮を要請する。2人乗りベビーカーを含むベビーカー使用者への対応について、バス事業者の社内教育を通じて運転者に周知する。

2人乗りベビーカーの例《写真AC》