2018/2019シーズン第7戦スパ・フランコルシャンの模様(19年5月)。《写真提供 TOYOTA》

4月25日を決勝日とする日程でスケジュールされていた、世界耐久選手権(WEC)スパ・フランコルシャン6時間レース(ベルギー)の「延期」が3月16日に発表された。2019/2020シーズンのWECは、次戦=6月の最終戦ルマンということになるかもしれない。

2019/2020シーズンのWECは当初予定全8戦で、今年2月までに5戦を消化。しかし第6戦として3月20日決勝の日程で予定されていた米国セブリング戦は先週、欧米での新型コロナウイルス問題深刻化の影響を受けてキャンセルに。その時点では4月25日決勝の第7戦スパ・フランコルシャン6時間が“次戦”という格好になったのだが、やはりコロナ問題の影響でスパ戦も当初日程での開催を見送られることが決定した(こちらは「延期」の扱い)。

関連団体による合同ステートメントにはスパ戦の新たな日程についての明確な記述はなく、「2020年の新日程は可及的すみやかに決定する」との旨が記されている。ただ、現在のWECは毎年6月に開催されるルマン24時間レース(フランス、今年は13〜14日決勝予定)を最終戦とするシーズン構築法を採っているため、その原則を貫く場合、2020年のスパ戦を2019/2020シーズンの一戦として延期開催するのは難しい話になってくる。

スパ戦を最終戦にする策が採られる可能性はほとんどないだろう。あくまでも最終戦はルマンであるはずだ。あとはルマンも延期して、スパ〜ルマンという終盤2戦のかたちを維持するかどうかだが、スパ戦延期発表直後、WEC公式サイトではルマンが「6戦中の第6戦」という扱いを受けている。これが意味するところは…?

2020年スパ戦の延期開催があるなら、スパ〜ルマンの順でのセット延期でない限り、2020年スパ戦は次なる2020/2021シーズンの一戦というかたちになることが考えられる。その場合、2020/2021シーズンは「スパ戦が2回」になると見込まれる(ちなみに、シーズン制度移行措置により“1年半”かけて行なわれた昨季=2018/2019シーズンはスパ戦とルマンが各2回、最初から含まれていた)。

なお、スパ戦とのセット云々は別問題として、今年のルマンの日程が動く可能性自体、現段階で否定はし切れないところだ(二輪のルマン24時間レース2020年大会は既に当初の4月開催から9月5〜6日決勝予定へと日程変更されている)。

日本での認知度が高めな四輪カテゴリー、F1にWEC、世界ラリー選手権(WRC)、フォーミュラE、インディカーといったなかで、先週の延期・中止等発表連鎖が一段落した時点で唯一、4月のカレンダーに残っていた実戦ラウンドがWECスパ戦だった。しかしそれも、予想通りというべきだろう、延期に…。世界の四輪モータースポーツ再開は早くても5月、という情勢があらためて確認されたといえる。

[追記:日本時間3月19日] 四輪の2020年ルマン24時間レースは9月19〜20日を決勝日とする日程に延期された。また、二輪の2020年ルマン24時間レースは8月29〜30日決勝予定へと日程が再度変更されている。新型コロナウイルス問題に起因する延期等の措置にはこういったケースもあるので、観戦予定等を考える際には情報の推移に注意していただきたい。

2018/2019シーズン第7戦スパ・フランコルシャンの模様(19年5月)。《写真提供 TOYOTA》 2018/2019シーズン第7戦スパ・フランコルシャンの模様(19年5月)。《写真提供 TOYOTA》 2018/2019シーズン第7戦スパ・フランコルシャンの模様(19年5月)。《写真提供 TOYOTA》