業務協働のイメージ《画像:ゼンリン》

JVCケンウッド、ゼンリンおよびゼンリンデータコムは2月7日、ドライブレコーダーのプローブデータを活用した業務用車両向け次世代テレマティクスサービス開発に向け、協働していくことを発表した。

JVCケンウッドでは、通信型ドライブレコーダーで撮影した映像に加え、位置情報や重力加速センサーといった各種データの解析結果をクラウドで活用するテレマティクスフリートマネジメントシステムの構築を図っている。また、クラウドを活用したオペレータシステムからカーナビゲーション、配車情報を表示する車載システム、ドライブレコーダー、業務用無線機器などをトータルで提供する次世代IoT配車システム「CABmee(キャブミー)」を開発し、国内外のタクシー事業会社が保有する車両への搭載を進めている。

一方、ゼンリンは「現実世界をライブラリー化する」をミッションに掲げ、各種情報を収集、管理し、地図データを提供するとともに、さまざまな情報を紐付ける空間情報におけるプラットフォームとして、位置情報ソリューションを提供。ゼンリンデータコムは、テレマティクスサービス構築に当たり、プローブデータの分析や解析技術のノウハウ蓄積に加え、ドライブレコーダーなどのハードウェアや、センサーなどを駆使した検出技術など、エッジ側システム構築のレベルアップを模索している。

今回締結した業務協働では、ゼンリンが提供する詳細な地図データを基に、ゼンリンデータコムのテレマティクスシステムにJVCケンウッド製の通信型ドライブレコーダーや、次世代IoT配車システム「CABmee」を搭載したタクシーが蓄積した、撮影映像や走行軌跡情報などのプローブデータを活用。業務車両を運転するドライバーや事業者に向けた事故低減のための具体的なアドバイスを行うなど、安心安全のためのよりきめ細やかな情報提供を目指す。また、実際にタクシーやトラックが走行した道路のデータを分析することから、それぞれの業務に合わせた経路探索が可能となり、タクシー事業者やその乗客、トラックなどの運輸業者にとっても利便性の向上が図れる。

3社は今後、今回の業務協働を足掛かりとして、JVCケンウッドのタクシー配車システムに関する知見やノウハウ、「車載」「映像」「無線」技術などの強みを、ゼンリンおよびゼンリンデータコムが持つ地図を利用した技術・ノウハウと融合させることで、幅広い業務用車両向けの次世代テレマティクスソリューションの拡大を図る。